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圧縮記帳

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圧縮記帳

2010/02/21 21:08

消費税法

すごい常連さん

回答数:8

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この度、国庫補助金が出る設備投資をする予定をしています。
その支払いをリースにしようと思っているのでがリース資産の場合でも圧縮記帳は出来ますか?

この度、国庫補助金が出る設備投資をする予定をしています。
その支払いをリースにしようと思っているのでがリース資産の場合でも圧縮記帳は出来ますか?

この質問に回答
回答

Re: 圧縮記帳

2010/02/25 13:11

しかしか

さらにすごい常連さん

編集

本題からは外れるような気もするので気が引けるのですが、ちょっとだけ指摘してみますと、細かい論点ですが、

>保険差益、買い換えの圧縮記帳に所有権移転外リース取引による
>資産を除くと規定があるのは、これらの圧縮記帳の根拠が「資産の
>交換」=「資産の同一性(従前の資産を持ち続けている状態)」
>ということにあるからだろうと考えます。


会計理論でいうところの、いわゆる「投下資本の継続性(投資の継続性、資産の同一性)」があることを前提として圧縮記帳を認めているのは、法人税法上は(私の知る限りですが)、「交換による圧縮記帳」だけです。

「交換による圧縮記帳」はなかなか他の圧縮記帳制度とは毛色が違うところがあり、例えば譲渡資産の簿価を取得資産の取得原価として引き継ぐ経理を認めています。
これは、交換については、法人税法上も「投下資本の継続性(資産の同一性)」を制度として容認しているからです。

交換の場合、企業会計では「投下資本の継続性(資産の同一性)」という考え方に基づいて、譲渡資産の簿価を取得資産に引き継ぐ方法(直接簿価を減額する方法とまったく同じ結果になる方法)が正しいと連続意見書で規定していますので、圧縮積立金方式は認められません。
したがって、法人税法上も、交換の圧縮記帳には圧縮積立金方式による経理方法が存在しません。
当然ですね。


さて、その一方で法人税法上の保険差益や買換えの圧縮記帳には、「投下資本の継続性(資産の同一性)」という考え方がそもそもありません。

もしかしたら、保険差益の圧縮記帳あたりには「投下資本の継続性(資産の同一性)」を見方によっては一応考えられなくはないのですが、しかし買換えの圧縮記帳は、産業政策的に買換えを誘導促進するために一時課税を回避する制度であり、会計理論的な「投下資本の継続性(資産の同一性)」から設けられているものではありません。

たとえば、十七号買換えあたりをみてみましょう。
(租税特別措置法第65条の7第1項の表より)


譲渡資産は、土地等、建物又は構築物となっており、
取得資産は、土地等、建物、構築物若しくは機械装置又は鉄道用車両運搬具
となっています。

会計でいうところの「投下資本の継続性(資産の同一性)」が認められるには、同一種類の資産でなおかつ同一の使用目的に供されるもの同士であることが前提です。

しかし、少なくとも買換えの圧縮記帳に関しては、譲渡資産と代替取得資産のあいだには、十七号買換えをはじめとしておよそ「投下資本の継続性(資産の同一性)」が考えられないキテレツな組み合わせがあちこちに見受けられます。

これは買換えの圧縮記帳が産業政策目的で作られているからであり、企業会計でいうところの「投下資本の継続性(資産の同一性)」に基づくものではないからです。

ついでに言うと、「収用等の圧縮記帳」についても、買換えの圧縮記帳とまったく同様で「投下資本の継続性(資産の同一性)」という考え方はありません。
(根拠は買換えと同じなので省略。)
しかし条文をよく見ると所有権移転外リース取引による代替資産の取得は不可となっています。(今日になってみつけた。笑)

このように単純に代替資産の取得をしているからといって法人税法上もそこに「投下資本の継続性(資産の同一性)」があると考えるのは、ちょっと早計です。


卑近な例ですが、税理士試験の法人税法の理論答案で、「交換による圧縮記帳」以外の圧縮記帳制度について問われた場合、「投下資本の継続性(資産の同一性)」を書くとバツにされます。(悲)


細かい点について長々と申し訳ありませんでした。
参考になれば幸いです。
また、koensuさんの書き込みのおかげで、自分の中で今まで曖昧だった論点についていろいろ深く考えることができたことについて大変感謝しています。


追伸:
もしかしたら「換地処分の圧縮記帳」あたりには、「投下資本の継続性(資産の同一性)」という考え方が法人税法上あるのかもしれません。
その根拠は、圧縮積立金方式による経理方法が認められていないからです。

交換の圧縮記帳のように「譲渡資産の簿価を取得資産の取得原価として引き継ぐ経理」を認める規定がありませんが、しかしそれは企業会計側が何も言わないから法人税法上もあえて積極的には規定していないだけでしょう。
(法人税法上は、なるべく差益と圧縮損を両建て経理する方法でやってほしいから。)
どのみち帳簿価額を直接減額すればまったく同じ結果になりますから、実質的には規定してもしなくても同じことです。

まあ、えらくマイナーな圧縮記帳ですが。

本題からは外れるような気もするので気が引けるのですが、ちょっとだけ指摘してみますと、細かい論点ですが、

>保険差益、買い換えの圧縮記帳に所有権移転外リース取引による
>資産を除くと規定があるのは、これらの圧縮記帳の根拠が「資産の
>交換」=「資産の同一性(従前の資産を持ち続けている状態)」
>ということにあるからだろうと考えます。


会計理論でいうところの、いわゆる「投下資本の継続性(投資の継続性、資産の同一性)」があることを前提として圧縮記帳を認めているのは、法人税法上は(私の知る限りですが)、「交換による圧縮記帳」だけです。

「交換による圧縮記帳」はなかなか他の圧縮記帳制度とは毛色が違うところがあり、例えば譲渡資産の簿価を取得資産の取得原価として引き継ぐ経理を認めています。
これは、交換については、法人税法上も「投下資本の継続性(資産の同一性)」を制度として容認しているからです。

交換の場合、企業会計では「投下資本の継続性(資産の同一性)」という考え方に基づいて、譲渡資産の簿価を取得資産に引き継ぐ方法(直接簿価を減額する方法とまったく同じ結果になる方法)が正しいと連続意見書で規定していますので、圧縮積立金方式は認められません。
したがって、法人税法上も、交換の圧縮記帳には圧縮積立金方式による経理方法が存在しません。
当然ですね。


さて、その一方で法人税法上の保険差益や買換えの圧縮記帳には、「投下資本の継続性(資産の同一性)」という考え方がそもそもありません。

もしかしたら、保険差益の圧縮記帳あたりには「投下資本の継続性(資産の同一性)」を見方によっては一応考えられなくはないのですが、しかし買換えの圧縮記帳は、産業政策的に買換えを誘導促進するために一時課税を回避する制度であり、会計理論的な「投下資本の継続性(資産の同一性)」から設けられているものではありません。

たとえば、十七号買換えあたりをみてみましょう。
租税特別措置法第65条の7第1項の表より)


譲渡資産は、土地等、建物又は構築物となっており、
取得資産は、土地等、建物、構築物若しくは機械装置又は鉄道用車両運搬具
となっています。

会計でいうところの「投下資本の継続性(資産の同一性)」が認められるには、同一種類の資産でなおかつ同一の使用目的に供されるもの同士であることが前提です。

しかし、少なくとも買換えの圧縮記帳に関しては、譲渡資産と代替取得資産のあいだには、十七号買換えをはじめとしておよそ「投下資本の継続性(資産の同一性)」が考えられないキテレツな組み合わせがあちこちに見受けられます。

これは買換えの圧縮記帳が産業政策目的で作られているからであり、企業会計でいうところの「投下資本の継続性(資産の同一性)」に基づくものではないからです。

ついでに言うと、「収用等の圧縮記帳」についても、買換えの圧縮記帳とまったく同様で「投下資本の継続性(資産の同一性)」という考え方はありません。
(根拠は買換えと同じなので省略。)
しかし条文をよく見ると所有権移転外リース取引による代替資産の取得は不可となっています。(今日になってみつけた。笑)

このように単純に代替資産の取得をしているからといって法人税法上もそこに「投下資本の継続性(資産の同一性)」があると考えるのは、ちょっと早計です。


卑近な例ですが、税理士試験の法人税法の理論答案で、「交換による圧縮記帳」以外の圧縮記帳制度について問われた場合、「投下資本の継続性(資産の同一性)」を書くとバツにされます。(悲)


細かい点について長々と申し訳ありませんでした。
参考になれば幸いです。
また、koensuさんの書き込みのおかげで、自分の中で今まで曖昧だった論点についていろいろ深く考えることができたことについて大変感謝しています。


追伸:
もしかしたら「換地処分の圧縮記帳」あたりには、「投下資本の継続性(資産の同一性)」という考え方が法人税法上あるのかもしれません。
その根拠は、圧縮積立金方式による経理方法が認められていないからです。

交換の圧縮記帳のように「譲渡資産の簿価を取得資産の取得原価として引き継ぐ経理」を認める規定がありませんが、しかしそれは企業会計側が何も言わないから法人税法上もあえて積極的には規定していないだけでしょう。
法人税法上は、なるべく差益と圧縮損を両建て経理する方法でやってほしいから。)
どのみち帳簿価額を直接減額すればまったく同じ結果になりますから、実質的には規定してもしなくても同じことです。

まあ、えらくマイナーな圧縮記帳ですが。

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No. タイトル 投稿者 投稿日時
0 消費税法 2010/02/21 21:08
1 しかしか 2010/02/23 13:09
2 消費税法 2010/02/23 14:29
3 koensu 2010/02/23 21:46
4 karz 2010/02/24 00:16
5 しかしか 2010/02/24 06:39
6 koensu 2010/02/24 23:52
7
Re: 圧縮記帳
しかしか 2010/02/25 13:11
8 koensu 2010/02/28 11:12