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役員退職慰労金の処理方
2010/07/22 16:12
2. Re: 役員退職慰労金の処理方
2010/07/25 15:19
koensuさんの解説が非常に素晴らしく、まったくそのとおりで特に書くことはないのですが、細かい点を補足的に書くと、形式的な従来の方法(平成18年の改正前)では意味がなくなってきたというのもあろうかと思います。
従来は利益処分方式の場合は、損金性がない役員退職金として認めていませんでしたが、それなら損金経理(費用処理)であれば全部OKなのかというと、そうでもないとか、形式的な面から判断することは結局あまり意味がないという話になってしまったのではないかと思います。
そこで役員退職金も寄附金も、会計処理の方法(形式面)と、損金性の有無を切り離し、費用処理か剰余金処分かを問わずあくまでも内容で判断するという現在の形になったのだろうと思います。
koensuさんもお書きになられていますが、平成17年の会社法施行を受けたこの平成18年の税制改正は非常に大きな改正で、法人税法の従来の考え方を大きく転換した改正でした。
かくいう私も古い知識に引っ張られていまだに時々間違えそうになるので要注意です。(笑)
koensuさんの解説が非常に素晴らしく、まったくそのとおりで特に書くことはないのですが、細かい点を補足的に書くと、形式的な従来の方法(平成18年の改正前)では意味がなくなってきたというのもあろうかと思います。
従来は利益処分方式の場合は、損金性がない役員退職金として認めていませんでしたが、それなら損金経理(費用処理)であれば全部OKなのかというと、そうでもないとか、形式的な面から判断することは結局あまり意味がないという話になってしまったのではないかと思います。
そこで役員退職金も寄附金も、会計処理の方法(形式面)と、損金性の有無を切り離し、費用処理か剰余金処分かを問わずあくまでも内容で判断するという現在の形になったのだろうと思います。
koensuさんもお書きになられていますが、平成17年の会社法施行を受けたこの平成18年の税制改正は非常に大きな改正で、法人税法の従来の考え方を大きく転換した改正でした。
かくいう私も古い知識に引っ張られていまだに時々間違えそうになるので要注意です。(笑)
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3. Re: 役員退職慰労金の処理方
2010/07/25 10:37
平成18年の税法改正で、外部支出について役員給与以外は原則損金算入とする法人税法の基本思想の転換があったからです。
それまでは、会社が利益処分として処理した支出については損金算入を認めていませんでした。
典型としては、法人税法37条寄付金の条文をご覧下さい。
18年改正までは
37条第1項に、利益処分により支出した寄付金については損金の額に算入しない旨の規定がありました。
現行の法人税法第37条には、この規定が無くなり第1項は限度額以上は損金不算入の規定になっています。
役員退職金は、法人税法34条第1項でいう役員給与(報酬、賞与)から除かれているので、当然に支出額が損金算入となるのです。ただし同条2項での給与には含まれるので、不相当高額部分は損金不算入となります。
ということで、平成18年改正で税法が会社法の規定をほぼ全面的に受け入れたこと、また会社法の計算規定が国際会計基準の方向性を受け入れたことにより、それまで慣行としてあった利益処分による支出を否定する物となったことなどが影響しています。
平成18年の税法改正で、外部支出について役員給与以外は原則損金算入とする法人税法の基本思想の転換があったからです。
それまでは、会社が利益処分として処理した支出については損金算入を認めていませんでした。
典型としては、法人税法37条寄付金の条文をご覧下さい。
18年改正までは
37条第1項に、利益処分により支出した寄付金については損金の額に算入しない旨の規定がありました。
現行の法人税法第37条には、この規定が無くなり第1項は限度額以上は損金不算入の規定になっています。
役員退職金は、法人税法34条第1項でいう役員給与(報酬、賞与)から除かれているので、当然に支出額が損金算入となるのです。ただし同条2項での給与には含まれるので、不相当高額部分は損金不算入となります。
ということで、平成18年改正で税法が会社法の規定をほぼ全面的に受け入れたこと、また会社法の計算規定が国際会計基準の方向性を受け入れたことにより、それまで慣行としてあった利益処分による支出を否定する物となったことなどが影響しています。
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4. Re: 役員退職慰労金の処理方
2010/07/25 09:42
ご回答ありがとうございます。
平成18年以降、なぜ役員退職金は損金経理を要件としなくなったのか分からなくなってきました。要するに、剰余金処分で仕訳処理をし、別表4で減算できるということですよね。ならば、最初から(18年以前から)認めておくことも出来たのではないのでしょうか。18年以前は不可で18年以降は可となった必然性が理解できません。
ご回答ありがとうございます。
平成18年以降、なぜ役員退職金は損金経理を要件としなくなったのか分からなくなってきました。要するに、剰余金処分で仕訳処理をし、別表4で減算できるということですよね。ならば、最初から(18年以前から)認めておくことも出来たのではないのでしょうか。18年以前は不可で18年以降は可となった必然性が理解できません。
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5. Re: 役員退職慰労金の処理方
2010/07/25 08:14
>実は、仰せのURLを見た上での質問だったのです。
あらま〜、そうだったんですか。(笑)
>くどいようですが、会社法以降、役員賞与は、
>「剰余金の処分」という手段は不可になったんですよね?
そのとおりです。
役員報酬と役員賞与は、費用処理でなければいけません。
昔の旧商法時代には、役員賞与は利益処分で支給するのが一般的でした。
しかし現在の会社法では、役員賞与は役員報酬と同様に会社法361条の報酬決議にもとづいて支給することになりました。
この場合の会計処理としては、費用処理だけなのか、剰余金処分方式も可能なのかは会社法上不明なので、これを企業会計原則で明らかにしたのが、
企業会計基準第4号「役員賞与に関する会計基準(H17.11.29公表)
https://www.asb.or.jp/asb/asb_j/documents/docs/yakuin/yakuin.pdf
です。
これによれば、役員賞与は他の役員報酬と同様に「発生した会計期間の費用として処理する」とされています。
したがって、役員賞与を剰余金の処分として処理することはできなくなりました。
参考
あずさ監査法人
http://www.azsa.or.jp/b_info/letter/61/03.html
会社法上は、役員退職金も「職務執行の対価の後払い」と考えると会社法361条の報酬決議に含まれると思いますが、これだけでは剰余金処分がダメなわけではありません。
(役員賞与の場合は企業会計基準がありますので剰余金処分方式はダメですが。)
まあ剰余金処分方式が積極的に勧められるわけではありませんが、所定の株主総会決議さえ経ていれば、可能だと思います。
法人税法上は、昔の法人税と今の法人税は違いますから、剰余金処分方式=不相当に高額、と断定することはできません。
しかし、不相当に高額なんじゃないの?という姿勢で税務当局側はやってきますから、会社側としては、損金としての合理性を主張しなければなりません。
そういう意味では、なるべく費用処理のほうが無難かなとは思います。
>実は、仰せのURLを見た上での質問だったのです。
あらま〜、そうだったんですか。(笑)
>くどいようですが、会社法以降、役員賞与は、
>「剰余金の処分」という手段は不可になったんですよね?
そのとおりです。
役員報酬と役員賞与は、費用処理でなければいけません。
昔の旧商法時代には、役員賞与は利益処分で支給するのが一般的でした。
しかし現在の会社法では、役員賞与は役員報酬と同様に会社法361条の報酬決議にもとづいて支給することになりました。
この場合の会計処理としては、費用処理だけなのか、剰余金処分方式も可能なのかは会社法上不明なので、これを企業会計原則で明らかにしたのが、
企業会計基準第4号「役員賞与に関する会計基準(H17.11.29公表)
https://www.asb.or.jp/asb/asb_j/documents/docs/yakuin/yakuin.pdf
です。
これによれば、役員賞与は他の役員報酬と同様に「発生した会計期間の費用として処理する」とされています。
したがって、役員賞与を剰余金の処分として処理することはできなくなりました。
参考
あずさ監査法人
http://www.azsa.or.jp/b_info/letter/61/03.html
会社法上は、役員退職金も「職務執行の対価の後払い」と考えると会社法361条の報酬決議に含まれると思いますが、これだけでは剰余金処分がダメなわけではありません。
(役員賞与の場合は企業会計基準がありますので剰余金処分方式はダメですが。)
まあ剰余金処分方式が積極的に勧められるわけではありませんが、所定の株主総会決議さえ経ていれば、可能だと思います。
法人税法上は、昔の法人税と今の法人税は違いますから、剰余金処分方式=不相当に高額、と断定することはできません。
しかし、不相当に高額なんじゃないの?という姿勢で税務当局側はやってきますから、会社側としては、損金としての合理性を主張しなければなりません。
そういう意味では、なるべく費用処理のほうが無難かなとは思います。
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7. Re: 役員退職慰労金の処理方
2010/07/24 15:13
早速のご回答ありがとうございます。
実は、仰せのURLを見た上での質問だったのです。
確か、会社法になって、役員賞与は利益処分でなく費用計上しなければならなくなったかと存じておるんですが、てっきり役員退職金も費用処理しなければならないという先入観があったものですから、当該URLに接し、ギョっとした次第です。
それにつけても、会社法になって、役員に対する報酬・賞与・退職金は、いずれも役員への利益の供与、という意味で取り扱いも統一されたと思っていたのですが、役員退職金だけは剰余金処分という会計処理でもよいというのは、今更ながら意外な気がします。
早速のご回答ありがとうございます。
実は、仰せのURLを見た上での質問だったのです。
確か、会社法になって、役員賞与は利益処分でなく費用計上しなければならなくなったかと存じておるんですが、てっきり役員退職金も費用処理しなければならないという先入観があったものですから、当該URLに接し、ギョっとした次第です。
それにつけても、会社法になって、役員に対する報酬・賞与・退職金は、いずれも役員への利益の供与、という意味で取り扱いも統一されたと思っていたのですが、役員退職金だけは剰余金処分という会計処理でもよいというのは、今更ながら意外な気がします。
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8. Re: 役員退職慰労金の処理方
2010/07/24 09:55
会社法上は、役員退職給与(役員退職金・役員退職慰労金)については、費用処理しろとか剰余金処分でやれといったことは規定していないのではないかと思います。
平成18年の税制改正で法人税法上は損金経理要件が廃止されたことにより、会計処理の方法としては、費用処理でも剰余金の処分でも、あるいは引当金の取り崩しでも損金算入が認められることになります。
参考
税理士法人ACTのサービス
http://www.act-office.biz/act_service.html
右にあるシリーズ「役員給与賞与退職金」のところの最後の5ページを参考にしてください。
ただし、「不相当に高額な部分」については当然のことながらどういう経理方法であっても損金不算入になります。
何をもって「不相当に高額」とするのかはハッキリした数値があるわけではありませんので、役員として従事した期間など、いろいろ総合的に判断するということだと思います。
(法人税法施行令第72条第2項)
会社法上は、役員退職給与(役員退職金・役員退職慰労金)については、費用処理しろとか剰余金処分でやれといったことは規定していないのではないかと思います。
平成18年の税制改正で法人税法上は損金経理要件が廃止されたことにより、会計処理の方法としては、費用処理でも剰余金の処分でも、あるいは引当金の取り崩しでも損金算入が認められることになります。
参考
税理士法人ACTのサービス
http://www.act-office.biz/act_service.html
右にあるシリーズ「役員給与賞与退職金」のところの最後の5ページを参考にしてください。
ただし、「不相当に高額な部分」については当然のことながらどういう経理方法であっても損金不算入になります。
何をもって「不相当に高額」とするのかはハッキリした数値があるわけではありませんので、役員として従事した期間など、いろいろ総合的に判断するということだと思います。
(法人税法施行令第72条第2項)
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