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経理の説明がよくわからないときは、具体的な数字を使って説明するに限ります。
抽象論を説明するには、具体論です。
<事例1>
前期において役員賞与100(会計上は費用となるが、法人税法上は損金とならないもの。以下同じ。)を支給した。
当期において役員賞与120を支給した。
これらに対する役員賞与引当金は一切設定していない。
前期及び当期における損益計算書及び別表4は次のとおりであった。
前期 当期 二期合計
収益 1,000 1,500 2,500
役員賞与 −100 −120 −220
その他費用 −600 −900 −1,500
----------------------------------------------
当期純利益 300 480 780
別表4
役員賞与 +100 +120 ・・・(+は加算社外流出)
----------------------------------------------
課税所得 400 600 1,000
<事例2>
前期において役員賞与100を支給した。
また、次期に対する役員賞与引当金を今回から50%設定するものとする。
この結果、前期末においては役員賞与引当金を60繰入れた。
当期において役員賞与120を支給した。
これに対する役員賞与引当金60は全額取崩し、役員賞与に充当している。
よって、当期の損益計算書上の役員賞与は120−60=60となった。
説明の都合上、次期における役員賞与支給の予定はなく当期末は引当金を設定しないものとする。
前期及び当期における損益計算書及び別表4は次のとおりであった。
前期 当期 二期合計
収益 1,000 1,500 2,500
役員賞与 −100 −60 −220
役引当金繰入 −60
その他費用 −600 −900 −1,500
-------------------------------------------------
当期純利益 240 540 780
別表4
役員賞与 +100 +120 ・・・(+は加算社外流出)
役引当金 +60 −60 ・・・(+は加算留保、−は減算留保)
-------------------------------------------------
課税所得 400 600 1,000
<解説>
事例1と事例2をよくよく眺めて比較してください。
まず最初に当期純利益をみてください。
企業会計上は、引当金を設定すると、その設定対象となった翌期の費用(役員賞与)を一部取り込むことになります。
しかしその分、翌期は費用(役員賞与)が減少しますから、二期合計で考えればどちらも同じになります。
法人税法上は、法人税の課税対象となる所得の金額が重要です。
最後の「課税所得」をよくみてください。
どちらの事例でもまったく同じになりますね。
なぜならば、そもそも「役員賞与」も「役員賞与引当金繰入額」も、どちらも税法上は損金にならないからです。
したがって、法人税法基準だけで損益計算書を作成すると、次のようになります。
前期 当期 二期合計
収益 1,000 1,500 2,500
その他費用 −600 −900 −1,500
----------------------------------------------
課税所得 400 600 1,000
ようは、最終的にこの前期の課税所得400と、当期の課税所得600を求めることが別表4の役割です。
そのために会社の当期純利益に対してあれこれと加算・減算をしているわけですね。
企業会計側(損益計算書)の処理とセットで別表4を考えるのがコツです。
じーーーっくりと、よく比べて考えてみてください。
経理の説明がよくわからないときは、具体的な数字を使って説明するに限ります。
抽象論を説明するには、具体論です。
<事例1>
前期において役員賞与100(会計上は費用となるが、法人税法上は損金とならないもの。以下同じ。)を支給した。
当期において役員賞与120を支給した。
これらに対する役員賞与引当金は一切設定していない。
前期及び当期における損益計算書及び別表4は次のとおりであった。
前期 当期 二期合計
収益 1,000 1,500 2,500
役員賞与 −100 −120 −220
その他費用 −600 −900 −1,500
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当期純利益 300 480 780
別表4
役員賞与 +100 +120 ・・・(+は加算社外流出)
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課税所得 400 600 1,000
<事例2>
前期において役員賞与100を支給した。
また、次期に対する役員賞与引当金を今回から50%設定するものとする。
この結果、前期末においては役員賞与引当金を60繰入れた。
当期において役員賞与120を支給した。
これに対する役員賞与引当金60は全額取崩し、役員賞与に充当している。
よって、当期の損益計算書上の役員賞与は120−60=60となった。
説明の都合上、次期における役員賞与支給の予定はなく当期末は引当金を設定しないものとする。
前期及び当期における損益計算書及び別表4は次のとおりであった。
前期 当期 二期合計
収益 1,000 1,500 2,500
役員賞与 −100 −60 −220
役引当金繰入 −60
その他費用 −600 −900 −1,500
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当期純利益 240 540 780
別表4
役員賞与 +100 +120 ・・・(+は加算社外流出)
役引当金 +60 −60 ・・・(+は加算留保、−は減算留保)
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課税所得 400 600 1,000
<解説>
事例1と事例2をよくよく眺めて比較してください。
まず最初に当期純利益をみてください。
企業会計上は、引当金を設定すると、その設定対象となった翌期の費用(役員賞与)を一部取り込むことになります。
しかしその分、翌期は費用(役員賞与)が減少しますから、二期合計で考えればどちらも同じになります。
法人税法上は、法人税の課税対象となる所得の金額が重要です。
最後の「課税所得」をよくみてください。
どちらの事例でもまったく同じになりますね。
なぜならば、そもそも「役員賞与」も「役員賞与引当金繰入額」も、どちらも税法上は損金にならないからです。
したがって、法人税法基準だけで損益計算書を作成すると、次のようになります。
前期 当期 二期合計
収益 1,000 1,500 2,500
その他費用 −600 −900 −1,500
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課税所得 400 600 1,000
ようは、最終的にこの前期の課税所得400と、当期の課税所得600を求めることが別表4の役割です。
そのために会社の当期純利益に対してあれこれと加算・減算をしているわけですね。
企業会計側(損益計算書)の処理とセットで別表4を考えるのがコツです。
じーーーっくりと、よく比べて考えてみてください。
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