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特別損失について

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特別損失について

2007/10/18 00:26

dondoko

おはつ

回答数:10

編集

はじめまして。dondokoと申します。

早速ですが質問です。

現在、仕掛在庫1千万円のソフトウェア開発があります。
しかし納期遅延やコスト増のため、開発中止となる見込みです。
開発中止損として特別損失に計上するか、売上原価を計上するか悩んでおります。

特別損失を選択した場合と売上原価で処理した場合、それぞれのメリット、デメリットを教えていただけないでしょうか。

また、二つのうちいずれかの処理を行ったとして、来期以降、開発が再開されたとします。その場合、経理的になにか行う処理などはあるでしょうか? 期をまたいでしまっているので、原価を戻したり・・・などは行わないという理解でいいのでしょうか。

質問が取り留めなくなってしまって申し訳ありません。
どなたかアドバイスお願いいたします。



はじめまして。dondokoと申します。

早速ですが質問です。

現在、仕掛在庫1千万円のソフトウェア開発があります。
しかし納期遅延やコスト増のため、開発中止となる見込みです。
開発中止損として特別損失に計上するか、売上原価を計上するか悩んでおります。

特別損失を選択した場合と売上原価で処理した場合、それぞれのメリット、デメリットを教えていただけないでしょうか。

また、二つのうちいずれかの処理を行ったとして、来期以降、開発が再開されたとします。その場合、経理的になにか行う処理などはあるでしょうか? 期をまたいでしまっているので、原価を戻したり・・・などは行わないという理解でいいのでしょうか。

質問が取り留めなくなってしまって申し訳ありません。
どなたかアドバイスお願いいたします。



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1. Re: 特別損失について

2007/10/20 22:38

せびら

常連さん

編集

karzさんの大変考えられたご意見、大変有難く、考えさせられました。

PTAさん同様、わたくしが、特別損としなかったのは、今回の費用は次のように経営目的のための活動経費として発生したもので、どの企業にも発生する一般的、経常的支出と考えたためです。

・経営上、ある程度のリスクを承知で施策を実施し、この種の費用が発生することは、一般的、経常的なことと思われます。

・特別損と正常な経営目的の費用の違いは、それが経営者が目的意志を持って支出したものであるかどうかにあるように思います。
前者が受身的な外的条件により発生するのに対し、後者は、たとえ結果として所期の経営目的を達成できないままの支出としても、経営者の意思によって発生したものです。研究開発費など、後者のよい例でしょう。

では投資の失敗による損失はなぜ特損として処理できるのか。その理由は、原価計算基準では原価の本質(基準第1-3−(3))として「経営の目的は一定の財貨を生産し、販売することに」あると規定しているので、投資活動を経営の目的とは扱っていないため特損扱いとせざるを得ない。

・企業会計原則は、制定当時は当期業績主義で貫かれていたのが、その後商法との調整を図るために包括主義的な損益計算書に改められた。
それまでは、期間外損益(特別損益)項目は、利益剰余金計算書に計上することにし、留保利益の直接増減項目として扱っていた。つまり特別損は「法人税等未払金」並みの扱いをしており、企業にとって留保利益から当然マイナスすべき「仕方のない、防ぎようのない」性格のものと認識していたという歴史があります。
そのような規定の当否は別として、現行企業会計原則も特別損とは基本的にはそのような性格のものであり、よほどの損失でない限り特別損とはしないという思想が引き継がれているのではないか。勝手な想像ですが・・・。



ただ、以上とは反対に、特別損にすべきであるという理屈もいくらでもあげられるような気もします。
・仮に小企業であれば、1千万円という金額の大きさは気になるところです。ケタはずれに大きい損失を簡単に経営目的の支出といえるか。 「異常な」支出ではないか。

・今回の損失の発生について、詳しい情報なしに論じているが、費用発生過程に外部要因、他動的な要因が大きい場合は、特別損としなくてはならないのではないか・・・などなど。



いずれにしても、PTAさんお書きのとおり
>当該取引の詳細、企業の規模や実態、業界の慣例など>様々な要素を勘案して、最も真の損益計算に近いと思う>処理をすることが肝要であると思います。

今回の費用の発生原因、経営目的との関連性、上場会社かどうかを問わず株主に対する説明責任の果たし方などよくよく検討すべき問題と思います。
特別損にするか経常的費用とするかの会計原則などの基準がいまいち不明確であり、企業の恣意性の介入を批判されることもある問題ですので、監査役、その他経理専門家の判断を仰ぎ、処理をお願いしたいと思います。

最後に、今回の問題はわたしとしてもこれまで関心を持ってきた問題なので書き込みをしましたが、正直なところ正しいという確信はありません。いろいろ疑問も湧いてきます。

長い書込みとなってしまい済みません。みなさまのお教え、ご意見等ありましたら、よろしくお願いします。

[追記 10/21日PM]
わたくしの意見には反対となりますが、類似の費用を特別損としている例がありました。ご参考に掲げます。

■富士ソフトABC株式会社(東証一部<証券コード9749>)は平成18年3月期の連結及び個別決算において、下記のとおり特別損失を計上いたしますので、その概要をお知らせいたします。
           記
1.特別損失の発生およびその内容
 当社ではシステム開発・ソフトウェア開発に係るトラブルプロジェクト撲滅を目標に管理体制を強化して参りました。すべての継続中の案件について調査を実施いたしました結果、回収可能性の低い案件についてさらに厳格な再評価を行い処分を決定いたしました。処分対象となった仕掛品のうち、過年度発生費用2,648百万円については特別損失(仕掛品処分損)として処理いたしました。なお、本年度発生費用については従来どおり売上原価として処理しております。



karzさんの大変考えられたご意見、大変有難く、考えさせられました。

PTAさん同様、わたくしが、特別損としなかったのは、今回の費用は次のように経営目的のための活動経費として発生したもので、どの企業にも発生する一般的、経常的支出と考えたためです。

・経営上、ある程度のリスクを承知で施策を実施し、この種の費用が発生することは、一般的、経常的なことと思われます。

・特別損と正常な経営目的の費用の違いは、それが経営者が目的意志を持って支出したものであるかどうかにあるように思います。
前者が受身的な外的条件により発生するのに対し、後者は、たとえ結果として所期の経営目的を達成できないままの支出としても、経営者の意思によって発生したものです。研究開発費など、後者のよい例でしょう。

では投資の失敗による損失はなぜ特損として処理できるのか。その理由は、原価計算基準では原価の本質(基準第1-3−(3))として「経営の目的は一定の財貨を生産し、販売することに」あると規定しているので、投資活動を経営の目的とは扱っていないため特損扱いとせざるを得ない。

企業会計原則は、制定当時は当期業績主義で貫かれていたのが、その後商法との調整を図るために包括主義的な損益計算書に改められた。
それまでは、期間外損益(特別損益)項目は、利益剰余金計算書に計上することにし、留保利益の直接増減項目として扱っていた。つまり特別損は「法人税等未払金」並みの扱いをしており、企業にとって留保利益から当然マイナスすべき「仕方のない、防ぎようのない」性格のものと認識していたという歴史があります。
そのような規定の当否は別として、現行企業会計原則も特別損とは基本的にはそのような性格のものであり、よほどの損失でない限り特別損とはしないという思想が引き継がれているのではないか。勝手な想像ですが・・・。



ただ、以上とは反対に、特別損にすべきであるという理屈もいくらでもあげられるような気もします。
・仮に小企業であれば、1千万円という金額の大きさは気になるところです。ケタはずれに大きい損失を簡単に経営目的の支出といえるか。 「異常な」支出ではないか。

・今回の損失の発生について、詳しい情報なしに論じているが、費用発生過程に外部要因、他動的な要因が大きい場合は、特別損としなくてはならないのではないか・・・などなど。



いずれにしても、PTAさんお書きのとおり
>当該取引の詳細、企業の規模や実態、業界の慣例など>様々な要素を勘案して、最も真の損益計算に近いと思う>処理をすることが肝要であると思います。

今回の費用の発生原因、経営目的との関連性、上場会社かどうかを問わず株主に対する説明責任の果たし方などよくよく検討すべき問題と思います。
特別損にするか経常的費用とするかの会計原則などの基準がいまいち不明確であり、企業の恣意性の介入を批判されることもある問題ですので、監査役、その他経理専門家の判断を仰ぎ、処理をお願いしたいと思います。

最後に、今回の問題はわたしとしてもこれまで関心を持ってきた問題なので書き込みをしましたが、正直なところ正しいという確信はありません。いろいろ疑問も湧いてきます。

長い書込みとなってしまい済みません。みなさまのお教え、ご意見等ありましたら、よろしくお願いします。

[追記 10/21日PM]
わたくしの意見には反対となりますが、類似の費用を特別損としている例がありました。ご参考に掲げます。

■富士ソフトABC株式会社(東証一部<証券コード9749>)は平成18年3月期の連結及び個別決算において、下記のとおり特別損失を計上いたしますので、その概要をお知らせいたします。
           記
1.特別損失の発生およびその内容
 当社ではシステム開発・ソフトウェア開発に係るトラブルプロジェクト撲滅を目標に管理体制を強化して参りました。すべての継続中の案件について調査を実施いたしました結果、回収可能性の低い案件についてさらに厳格な再評価を行い処分を決定いたしました。処分対象となった仕掛品のうち、過年度発生費用2,648百万円については特別損失(仕掛品処分損)として処理いたしました。なお、本年度発生費用については従来どおり売上原価として処理しております。



返信

2. Re: 特別損失について

2007/10/20 01:50

karz

すごい常連さん

編集

横からすいません。気になることがあります。

売上原価(名前の通り売上げの原価)は売上(収益)の原価(費用)であり、個別に売上と費用が明らかにわかる場合は開発中止による損失=売上は一切計上されない、にもかかわらず売上原価となるのでしょうか?

棚卸減耗損も売上げとは直接的には関係ないものです
(本当の?売上原価ではない)

ただし通常であれば在庫は常にあり、減耗損の発生は不可避なことであること=売上のためにはやむを得ない→売上原価とも言えます

それでも、減耗損=売上原価と言うことではなく、通常起こり得る
減耗損が売上原価OR販売費及び一般管理費に該当し、
過大な減耗損は営業外費用OR特別損失に該当します。
(あくまでも例えであり、金額や重要性も考慮して考える)

1千万円は決して少なくない、開発中止の原因がこちらにもある等を考えれば、特別損失(金額に重要性が乏しい場合は営業外費用)が妥当なような気がします。

カスタムメイドで、開発中止による損失を通常起こり得る損失とはあまり思えません
(作れないものまで受注しないから)

横からすいません。気になることがあります。

売上原価(名前の通り売上げの原価)は売上(収益)の原価(費用)であり、個別に売上と費用が明らかにわかる場合は開発中止による損失=売上は一切計上されない、にもかかわらず売上原価となるのでしょうか?

棚卸減耗損も売上げとは直接的には関係ないものです
(本当の?売上原価ではない)

ただし通常であれば在庫は常にあり、減耗損の発生は不可避なことであること=売上のためにはやむを得ない→売上原価とも言えます

それでも、減耗損=売上原価と言うことではなく、通常起こり得る
減耗損が売上原価OR販売費及び一般管理費に該当し、
過大な減耗損は営業外費用OR特別損失に該当します。
(あくまでも例えであり、金額や重要性も考慮して考える)

1千万円は決して少なくない、開発中止の原因がこちらにもある等を考えれば、特別損失(金額に重要性が乏しい場合は営業外費用)が妥当なような気がします。

カスタムメイドで、開発中止による損失を通常起こり得る損失とはあまり思えません
(作れないものまで受注しないから)

返信

3. Re: 特別損失について

2007/10/19 23:20

dondoko

おはつ

編集

dondokoです。

PTAさま、sebiraさま、お返事が遅くなって申し訳ありません。

sebiraさま

>売上に直接、個別に対応する費用としての製品製造原価(売上原価)

最初に説明が足りなくて申し訳ありませんでした。
弊社では汎用ソフトウェアの開発ではなく、カスタムメイドのソフトウェア開発を行っているため、個別原価を採用しております。
今回中止になったのは、A社より依頼された、とあるソフトウェアなので、売上に直接、個別に対応する費用と考えられると思います。

弊社も零細であるため、1千万円という金額は決して少ない金額ではありません。しかし今回の開発中止については、こちら側にも非があり、経営陣も納得して開発中止の決定を下したことから、売上原価で処理することについて、異論はないとのことでした。

PTAさまのご指摘通り、製造業や弊社のような業種では、不良品(開発中止)は常に考えられるものであり、こうしたリスクは経理担当者として、予測しておくべきなのかもしれませんね。

お二人の意見、大変勉強になりました。
本当にありがとうございました。


dondokoです。

PTAさま、sebiraさま、お返事が遅くなって申し訳ありません。

sebiraさま

>売上に直接、個別に対応する費用としての製品製造原価(売上原価)

最初に説明が足りなくて申し訳ありませんでした。
弊社では汎用ソフトウェアの開発ではなく、カスタムメイドのソフトウェア開発を行っているため、個別原価を採用しております。
今回中止になったのは、A社より依頼された、とあるソフトウェアなので、売上に直接、個別に対応する費用と考えられると思います。

弊社も零細であるため、1千万円という金額は決して少ない金額ではありません。しかし今回の開発中止については、こちら側にも非があり、経営陣も納得して開発中止の決定を下したことから、売上原価で処理することについて、異論はないとのことでした。

PTAさまのご指摘通り、製造業や弊社のような業種では、不良品(開発中止)は常に考えられるものであり、こうしたリスクは経理担当者として、予測しておくべきなのかもしれませんね。

お二人の意見、大変勉強になりました。
本当にありがとうございました。


返信

4. Re: 特別損失について

2007/10/19 12:38

せびら

常連さん

編集

sebira流解釈と回答はよく間違い、皆さんのご指摘で訂正をしておりますので、同感いただき嬉しく思います。

今後ともよろしくお願いいたします。

sebira流解釈と回答はよく間違い、皆さんのご指摘で訂正をしておりますので、同感いただき嬉しく思います。

今後ともよろしくお願いいたします。

返信

5. Re: 特別損失について

2007/10/19 12:32

PTA

すごい常連さん

編集

大変勉強になりました。同感です。
結局、当該取引の詳細、企業の規模や実態、業界の慣例など様々な要素を勘案して、最も真の損益計算に近いと思う処理をすることが肝要であると思います。
会計の諸規則は、ひとつの文章で全ての企業に網をかけようとするゆえに解釈に幅が生じるような書き方ばかりですから、それは一方で、企業に適正な損益計算をするよう自ら考えろと言っているようにも解釈できるような気がします。

大変勉強になりました。同感です。
結局、当該取引の詳細、企業の規模や実態、業界の慣例など様々な要素を勘案して、最も真の損益計算に近いと思う処理をすることが肝要であると思います。
会計の諸規則は、ひとつの文章で全ての企業に網をかけようとするゆえに解釈に幅が生じるような書き方ばかりですから、それは一方で、企業に適正な損益計算をするよう自ら考えろと言っているようにも解釈できるような気がします。

返信

6. Re: 特別損失について

2007/10/19 11:21

せびら

常連さん

編集

PTAさんには釈迦に説法ですが一応弁明します。

「製品原価と期間原価との範囲の区別は相対的であるが、通常売上品及び棚卸資産の価額を構成する全部の製造原価を製品原価とし、販売費及び一般管理費はこれを期間原価とする。(原価計算基準 第1−4−(2))」

「相対的」とか「通常」の文言が実務的には悩みの種でもあるし、救いでもあるこの原価計算基準をわたくしなりに解釈しコメントしました。

質問の費用は、売上に貢献する通常必要な経費ではありますが、特別損失である「異常な仕損」的な経費に近い損費にも思われ、「通常売上品」の価額を構成する製品原価と考えるより期間原価とするのがよりルールに準じた処理ではないか。

さらに、1千万円の損費は、大企業ではたいした額ではないかも知れないが、資本規模1千万とか1億円の企業にとっては重要性のある金額です。
原価計算制度が個別、総合にかかわらず、その額を含めると原価計算結果と損益計算書の区分表示の数値が経営判断に支障を生ずることにならないか。

どうしても、零細企業の経理をやっている自身の立場がこの解釈に反映していることは否めません。

PTAさんには釈迦に説法ですが一応弁明します。

「製品原価と期間原価との範囲の区別は相対的であるが、通常売上品及び棚卸資産の価額を構成する全部の製造原価を製品原価とし、販売費及び一般管理費はこれを期間原価とする。(原価計算基準 第1−4−(2))」

「相対的」とか「通常」の文言が実務的には悩みの種でもあるし、救いでもあるこの原価計算基準をわたくしなりに解釈しコメントしました。

質問の費用は、売上に貢献する通常必要な経費ではありますが、特別損失である「異常な仕損」的な経費に近い損費にも思われ、「通常売上品」の価額を構成する製品原価と考えるより期間原価とするのがよりルールに準じた処理ではないか。

さらに、1千万円の損費は、大企業ではたいした額ではないかも知れないが、資本規模1千万とか1億円の企業にとっては重要性のある金額です。
原価計算制度が個別、総合にかかわらず、その額を含めると原価計算結果と損益計算書の区分表示の数値が経営判断に支障を生ずることにならないか。

どうしても、零細企業の経理をやっている自身の立場がこの解釈に反映していることは否めません。

返信

7. Re: 特別損失について

2007/10/19 07:24

PTA

すごい常連さん

編集

製造業の事例で恐縮ですが、
どうしても不良品発生ゼロはありえないですから、通常のオペレーションの中で経常的に発生するものについては、製造原価に含めて処理することは多いと思います。個別原価計算か総合原価計算かなどといった、原価計算のやり方も勘案すべきとは思いますが。

製造業の事例で恐縮ですが、
どうしても不良品発生ゼロはありえないですから、通常のオペレーションの中で経常的に発生するものについては、製造原価に含めて処理することは多いと思います。個別原価計算か総合原価計算かなどといった、原価計算のやり方も勘案すべきとは思いますが。

返信

8. Re: 特別損失について

2007/10/19 06:32

せびら

常連さん

編集

下記の「売上原価で処理」がちょっと気になってのおせっかいな蛇足です。
>早速、会計原則にのっとり、売上原価で処理することにいたします。

お分かりと思いますが、PTAさんのお答えは、特別損失、売上対応費用(原価)のどちらにすべきかについてお答えしています。

実際の具体的な処理では、おたずねの費用は、売上に直接、個別に対応する費用としての製品製造原価(売上原価)とは考えられないので、期間費用としての「販売費及び一般管理費」または「営業外費用」として処理するということですね。

下記の「売上原価で処理」がちょっと気になってのおせっかいな蛇足です。
>早速、会計原則にのっとり、売上原価で処理することにいたします。

お分かりと思いますが、PTAさんのお答えは、特別損失、売上対応費用(原価)のどちらにすべきかについてお答えしています。

実際の具体的な処理では、おたずねの費用は、売上に直接、個別に対応する費用としての製品製造原価(売上原価)とは考えられないので、期間費用としての「販売費及び一般管理費」または「営業外費用」として処理するということですね。

返信

9. Re: 特別損失について

2007/10/18 10:08

dondoko

おはつ

編集


PTA様

大変詳細なご説明をありがとうございます。

好きな方を選択できるとする根拠とのことですが、これは私が勝手にそう思い込んでいただけのことです。
従来、金額の小さな開発中止案件については、売上原価で処理していたのですが、今回は金額も大きかったため、果たしてこれまで通りのやり方でいいのか悩んでしまったのです。
そこでネットで調べたところ、大手ソフトウェア会社の決算書などに、特別損失の開発中止損と記載されているものを見つけたため、こちらのやり方のほうが正しいのか、と勝手に悩んでしまいました。

しかし、PTA様のご説明で、非常にすっきりと理解することができました。ありがとうございます。
早速、会計原則にのっとり、売上原価で処理することにいたします。

ちなみに開発が再開する可能性は10〜20%程度、それも何年後かわからないような状況のため、一度整理してしまおうと思います。

本当にありがとうございました。


PTA様

大変詳細なご説明をありがとうございます。

好きな方を選択できるとする根拠とのことですが、これは私が勝手にそう思い込んでいただけのことです。
従来、金額の小さな開発中止案件については、売上原価で処理していたのですが、今回は金額も大きかったため、果たしてこれまで通りのやり方でいいのか悩んでしまったのです。
そこでネットで調べたところ、大手ソフトウェア会社の決算書などに、特別損失の開発中止損と記載されているものを見つけたため、こちらのやり方のほうが正しいのか、と勝手に悩んでしまいました。

しかし、PTA様のご説明で、非常にすっきりと理解することができました。ありがとうございます。
早速、会計原則にのっとり、売上原価で処理することにいたします。

ちなみに開発が再開する可能性は10〜20%程度、それも何年後かわからないような状況のため、一度整理してしまおうと思います。

本当にありがとうございました。

返信

10. Re: 特別損失について

2007/10/18 07:52

PTA

すごい常連さん

編集

売上原価か特別損失か、好きな方を選択できるとする根拠は何でしょうか?

基本的には、会計原則は、財務諸表作成者の恣意性や利益操作を排除するように設計されています。そんなに都合よく処理を選択することは困難です。

特別損失とは、企業会計原則6および同注解18によれば、
「特別損失とは、固定資産売却損、転売以外の目的で取得した有価証券売却損、災害による損失等の臨時的に発生する損失、過年度における引当金の修正損、過年度における減価償却の修正損、過年度におけるたな卸資産評価の訂正損等の前期損益修正損をいう。

なお、特別損失に属する項目であっても、金額の僅少なもの又は毎期経常的に発生するものは、経常損益計算に含めることができる。」

一般的には、臨時的な支出、それも災害のような予期せぬ出来事か、過年度の損益修正によるものでなければ特別損失には計上できません。

通常の製造や開発において、単なる失敗や見通しの甘さから失敗作ができたり、開発中止となった場合は、通常の業務上の費用の中で処理すべきと考えます。売上原価か営業外費用としての仕掛品廃棄損までかと思います。また、単なる中断であって、将来、開発がその時点から再開する可能性が高いのであれば、仕掛品のままでも良いかなと思います。

なお、売上原価、特別損失のいずれでも処理できるというシナリオが書けるとして、メリット・デメリットがどうかということについては、一概に言えないと思います。
原価率や経常利益を気にする企業であれば、そのような費用は、できるだけ原価に含めないようにしたいでしょう。逆に、特別損失は、原則として「その他」という表記は認められませんので「開発中断損失」とか適切な名称をつけて記載しなければならず、ある意味、企業の恥ずかしい部分を公表することになります。それを嫌がる経営者もいます。また、経常利益が出すぎると逆に値下げ要求が強くなるとか、そういう場合は、あえて原価を増やすようなシナリオを書くこともあるでしょう。
結局、最終利益は変わりませんから、損益計算書のどの部分を良く見せたいかという方針次第でしょう。(本音を言えば、会計原則を逸脱しない範囲でうまくシナリオを考え監査法人を納得させて、財務諸表の見栄えを少しでも会社方針に合わせることが、経理・IR担当者の腕の見せ所かもしれません)

だから、冒頭の質問をさせていただいたというわけです。



売上原価か特別損失か、好きな方を選択できるとする根拠は何でしょうか?

基本的には、会計原則は、財務諸表作成者の恣意性や利益操作を排除するように設計されています。そんなに都合よく処理を選択することは困難です。

特別損失とは、企業会計原則6および同注解18によれば、
「特別損失とは、固定資産売却損、転売以外の目的で取得した有価証券売却損、災害による損失等の臨時的に発生する損失、過年度における引当金の修正損、過年度における減価償却の修正損、過年度におけるたな卸資産評価の訂正損等の前期損益修正損をいう。

なお、特別損失に属する項目であっても、金額の僅少なもの又は毎期経常的に発生するものは、経常損益計算に含めることができる。」

一般的には、臨時的な支出、それも災害のような予期せぬ出来事か、過年度の損益修正によるものでなければ特別損失には計上できません。

通常の製造や開発において、単なる失敗や見通しの甘さから失敗作ができたり、開発中止となった場合は、通常の業務上の費用の中で処理すべきと考えます。売上原価か営業外費用としての仕掛品廃棄損までかと思います。また、単なる中断であって、将来、開発がその時点から再開する可能性が高いのであれば、仕掛品のままでも良いかなと思います。

なお、売上原価、特別損失のいずれでも処理できるというシナリオが書けるとして、メリット・デメリットがどうかということについては、一概に言えないと思います。
原価率や経常利益を気にする企業であれば、そのような費用は、できるだけ原価に含めないようにしたいでしょう。逆に、特別損失は、原則として「その他」という表記は認められませんので「開発中断損失」とか適切な名称をつけて記載しなければならず、ある意味、企業の恥ずかしい部分を公表することになります。それを嫌がる経営者もいます。また、経常利益が出すぎると逆に値下げ要求が強くなるとか、そういう場合は、あえて原価を増やすようなシナリオを書くこともあるでしょう。
結局、最終利益は変わりませんから、損益計算書のどの部分を良く見せたいかという方針次第でしょう。(本音を言えば、会計原則を逸脱しない範囲でうまくシナリオを考え監査法人を納得させて、財務諸表の見栄えを少しでも会社方針に合わせることが、経理・IR担当者の腕の見せ所かもしれません)

だから、冒頭の質問をさせていただいたというわけです。



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