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法人への引継ぎ

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法人への引継ぎ

2009/07/29 17:16

predator

常連さん

回答数:7

編集

以前にも似たような質問をしたのですが、個人事業から法人成りした場合の資産の引継ぎについて質問です。

1.個人事業で小売業をしていて、商品を法人に引き継ぐことになりました。この処理では個人としては売上、法人としては仕入となると思うのですが、この仕訳はどのようになるんでしょうか?

2.個人時代に店をオープンして開業費(繰延資産)となるものがあったのですが、これも法人へ引き継げるのでしょうか?引き継げる場合、その処理はどのようになるんでしょうか?

すみませんがどなたか教えて下さい。宜しくお願いします。

以前にも似たような質問をしたのですが、個人事業から法人成りした場合の資産の引継ぎについて質問です。

1.個人事業で小売業をしていて、商品を法人に引き継ぐことになりました。この処理では個人としては売上、法人としては仕入となると思うのですが、この仕訳はどのようになるんでしょうか?

2.個人時代に店をオープンして開業費(繰延資産)となるものがあったのですが、これも法人へ引き継げるのでしょうか?引き継げる場合、その処理はどのようになるんでしょうか?

すみませんがどなたか教えて下さい。宜しくお願いします。

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1. Re: 法人への引継ぎ

2009/07/30 09:01

しかしか

さらにすごい常連さん

編集

普通は、会社設立後すぐに他の諸資産と一緒に商品も売却譲渡します。
(新法人は、金銭出資で設立したものとし、現物出資設立ではないものとします。)

前提条件:諸資産の簿価=時価とみなして考え、諸資産の売却による売却益、売却損は基本的に生じないものとする。


<仕訳例>

(1)個人側

 未収金 100 / 現金預金 10 
          / 売掛金  20
          / 建物   30
          / 器具備品 25
          / 売上   15 ←商品売上部分


※厳密にいうと、商品の売却は事業所得、事業用固定資産の売却は譲渡所得になりますので、本当は別々の所得として計算するのですが、ここではわかりやすいようにそのへんの細かい点は無視しています。



(2)法人側(設立時の仕訳(資本金の計上)は既に完了しているものとする。)

 現金預金 10 / 未払金 100  ←元の個人事業者に対する未払金
 売掛金   20 / 
 建物    30 /
 車両    25 /
 仕入    15 /

後日、お金に余裕があれば、会社は元個人事業者に対して、未払金100を支払います。
元個人事業者は、未収金100を回収することになります。


もしも商品だけを単独で法人に後日、追加売上するのでしたら、単純に

(個人側) 売掛金15 / 売上15
(法人側) 仕入15  / 買掛金15

と仕訳すればOKです。

普通は、会社設立後すぐに他の諸資産と一緒に商品も売却譲渡します。
(新法人は、金銭出資で設立したものとし、現物出資設立ではないものとします。)

前提条件:諸資産の簿価=時価とみなして考え、諸資産の売却による売却益、売却損は基本的に生じないものとする。


仕訳例>

(1)個人側

 未収金 100 / 現金預金 10 
          / 売掛金  20
          / 建物   30
          / 器具備品 25
          / 売上   15 ←商品売上部分


※厳密にいうと、商品の売却は事業所得、事業用固定資産の売却は譲渡所得になりますので、本当は別々の所得として計算するのですが、ここではわかりやすいようにそのへんの細かい点は無視しています。



(2)法人側(設立時の仕訳(資本金の計上)は既に完了しているものとする。)

 現金預金 10 / 未払金 100  ←元の個人事業者に対する未払金
 売掛金   20 / 
 建物    30 /
 車両    25 /
 仕入    15 /

後日、お金に余裕があれば、会社は元個人事業者に対して、未払金100を支払います。
元個人事業者は、未収金100を回収することになります。


もしも商品だけを単独で法人に後日、追加売上するのでしたら、単純に

(個人側) 売掛金15 / 売上15
(法人側) 仕入15  / 買掛金15

仕訳すればOKです。

返信

2. Re: 法人への引継ぎ

2009/07/30 09:13

しかしか

さらにすごい常連さん

編集

つづき

個人時代の開業費(繰延資産)は、あくまでも個人時代の開業に要した費用を繰延資産として経理しているものであって、法人の開業費用では全然ありませんので、法人側の繰延資産として資産計上することはできません。

また、繰延資産とは、その本質は「費用」であって、財産としての価値があるものではありませんので、会社にとっては他人の費用を自社の資産として計上することになり、適切な会計とはいえません。

よって、個人時代の開業費を新設法人に引き継がせることはできません。


ただし、個人商店の屋号などのブランドを会社に引き継がせる場合、そのブランド力を「営業権(のれん)」として評価し、それを法人側で資産計上するという方法はあります。

この場合、その個人事業者時代に培われていた○○ブランドが存在することを、根拠となる資料(個人の過去の決算書など)をもとに数値化しなければなりません。

税務署を説得できるだけの根拠資料をちゃんとそろえられないと、法人側において営業権(のれん)の資産計上が認められず、寄附金又は役員賞与とされてしまう危険性があります。

このあたりはちょっとややこしいので、そういうことに詳しい税理士や会計士の先生に相談してください。

上記の問題点がクリアできれば、開業費は引き継げませんが、それと同額程度の営業権(のれん)を個人から法人に引継がせた場合、実質的には開業費を引き継がせたのとほぼ同じ効果が得られます。


(1)個人側(営業権(のれん代)は35とする。)

 未収金 135 / 現金預金 10 
          / 売掛金  20
          / 建物   30
          / 器具備品 25
          / 売上   15
          / 営業権売却益35 


さらに個人の決算において、開業費を全額償却して費用化します。
もしも開業費の簿価がたまたま偶然にも営業権売却益35と同額であれば、

 開業費償却35 / 開業費35

と仕訳してその全額を必要経費にします。

上記の仕訳により、収益に計上されるのは、商品売上高15だけですね。
(営業権売却益35は、開業費償却35と相殺されるので全体としてはなし。)


-----------------------------------------------------------

これがもしも開業費35を法人に引き継がせたと仮定した仕訳をしてみましょう。
(実際にはこの仕訳はしません。)

 未収金 135 / 現金預金 10 
          / 売掛金  20
          / 建物    30
          / 器具備品 25
          / 売上    15
          / 開業費  35 


この仕訳により開業費は存在しなくなりますので、開業費償却はありません。
したがって、この仕訳をした場合における収益は、商品売上高15のみとなります。

前述の仕訳と実質的には同じですね。

----------------------------------------------------------

 ※営業権売却益を所得税の確定申告の際、どうするかは税理士の先生にご相談ください。
 私は事業用固定資産の譲渡による所得として申告するのがいいんじゃないかなと思います。


(2)法人側

 現金預金 10 / 未払金 135
 売掛金   20 /
 建物    30 /
 車両    25 /
 のれん   35 /
 仕入    15 /


参考になれば幸いです。

つづき

個人時代の開業費(繰延資産)は、あくまでも個人時代の開業に要した費用を繰延資産として経理しているものであって、法人の開業費用では全然ありませんので、法人側の繰延資産として資産計上することはできません。

また、繰延資産とは、その本質は「費用」であって、財産としての価値があるものではありませんので、会社にとっては他人の費用を自社の資産として計上することになり、適切な会計とはいえません。

よって、個人時代の開業費を新設法人に引き継がせることはできません。


ただし、個人商店の屋号などのブランドを会社に引き継がせる場合、そのブランド力を「営業権(のれん)」として評価し、それを法人側で資産計上するという方法はあります。

この場合、その個人事業者時代に培われていた○○ブランドが存在することを、根拠となる資料(個人の過去の決算書など)をもとに数値化しなければなりません。

税務署を説得できるだけの根拠資料をちゃんとそろえられないと、法人側において営業権(のれん)の資産計上が認められず、寄附金又は役員賞与とされてしまう危険性があります。

このあたりはちょっとややこしいので、そういうことに詳しい税理士や会計士の先生に相談してください。

上記の問題点がクリアできれば、開業費は引き継げませんが、それと同額程度の営業権(のれん)を個人から法人に引継がせた場合、実質的には開業費を引き継がせたのとほぼ同じ効果が得られます。


(1)個人側(営業権(のれん代)は35とする。)

 未収金 135 / 現金預金 10 
          / 売掛金  20
          / 建物   30
          / 器具備品 25
          / 売上   15
          / 営業権売却益35 


さらに個人の決算において、開業費を全額償却して費用化します。
もしも開業費の簿価がたまたま偶然にも営業権売却益35と同額であれば、

 開業費償却35 / 開業費35

仕訳してその全額を必要経費にします。

上記の仕訳により、収益に計上されるのは、商品売上高15だけですね。
(営業権売却益35は、開業費償却35と相殺されるので全体としてはなし。)


-----------------------------------------------------------

これがもしも開業費35を法人に引き継がせたと仮定した仕訳をしてみましょう。
(実際にはこの仕訳はしません。)

 未収金 135 / 現金預金 10 
          / 売掛金  20
          / 建物    30
          / 器具備品 25
          / 売上    15
          / 開業費  35 


この仕訳により開業費は存在しなくなりますので、開業費償却はありません。
したがって、この仕訳をした場合における収益は、商品売上高15のみとなります。

前述の仕訳と実質的には同じですね。

----------------------------------------------------------

 ※営業権売却益を所得税の確定申告の際、どうするかは税理士の先生にご相談ください。
 私は事業用固定資産の譲渡による所得として申告するのがいいんじゃないかなと思います。


(2)法人側

 現金預金 10 / 未払金 135
 売掛金   20 /
 建物    30 /
 車両    25 /
 のれん   35 /
 仕入    15 /


参考になれば幸いです。

返信

3. Re: 法人への引継ぎ

2009/07/30 13:34

predator

常連さん

編集

sika-sika様

大変詳しい説明ありがとうございます。

1.棚卸資産はそのまま個人では売掛、法人では買掛のようにして通常の販売と同じように処理すればいいんですね。


2.開業費は引き継げないんですね。であれば、開業の為の費用でも、わざわざ開業費としなくてもよさそうですね。

ただ、棚卸資産を売却したときの処理の仕方を見て思ったのですが

>   未収金 100 / 現金預金 10 
>         / 売掛金  20
>         / 建物   30
>         / 器具備品 25
>         / 売上   15 ←商品売上部分

法人成りによる個人事業の引継ぎの場合、個人事業の最後の貸借は未収金しか残らないということでしょうか?

たびたびの質問で申し訳ありませんが、宜しくお願いします。

sika-sika様

大変詳しい説明ありがとうございます。

1.棚卸資産はそのまま個人では売掛、法人では買掛のようにして通常の販売と同じように処理すればいいんですね。


2.開業費は引き継げないんですね。であれば、開業の為の費用でも、わざわざ開業費としなくてもよさそうですね。

ただ、棚卸資産を売却したときの処理の仕方を見て思ったのですが

>   未収金 100 / 現金預金 10 
>         / 売掛金  20
>         / 建物   30
>         / 器具備品 25
>         / 売上   15 ←商品売上部分

法人成りによる個人事業の引継ぎの場合、個人事業の最後の貸借は未収金しか残らないということでしょうか?

たびたびの質問で申し訳ありませんが、宜しくお願いします。

返信

4. Re: 法人への引継ぎ

2009/07/30 14:39

しかしか

さらにすごい常連さん

編集

>法人成りによる個人事業の引継ぎの場合、個人事業の最後の貸借は未収金しか残らないということでしょうか?

そのとおりです。
ただ単なる資産の売却ですから、その法人に対する売却代金の未収債権が最後に残るわけですね。
(今回は現物出資方式ではないので、株式にはならない。)

そして後日法人から支払われれば、それもなくなります。


ちなみに、個人事業者の最後の確定申告において注意すべきなので、消費税の計算です。

個々の資産は時価=簿価で売却していますから、この法人成りによる資産の譲渡による所得(利益)は基本的に生じません。
(営業権売却益はやらないとした場合。)

そのため、所得税の確定申告では、事業用固定資産の譲渡を譲渡所得で計算しても譲渡所得はゼロになります。
そのため、めんどくさかったら全部事業所得でやってしまうという超手抜きな申告方法も考えられます。(笑)

しかし、所得(利益)はなくても、資産の譲渡対価が消費税の課税対象にはなるという点に注意が必要です。

所得税における所得区分が何になろうとも、消費税の課税対象の有無とは関係ありません。
つまり、事業所得になろうが譲渡所得になろうが(あるいは他の所得になろうが)、商品や事業用固定資産の譲渡は消費税の計算上、あくまでも「課税売上げ」「非課税売上げ」になる点に注意してください。

前述の仕訳でいえば、消費税法上の区分は、
 ・現金預金・・・支払手段の譲渡であり「非課税売上げ」
 ・売掛金・・・消費税法上は有価証券に類するもの(金銭債権)の譲渡であり「非課税売上げ」
 ・建物、器具備品・・・もちろん「課税売上げ」
 ・商品の売上・・・もちろん「課税売上げ」
となります。

このうち、「支払手段の譲渡による非課税売上げ」は、課税売上割合の計算上、除外することになっていますので(令48条2項)、結局のところ、消費税の計算にはまったく影響しません。
そのため、実際の仕訳では、消費税の「対象外」としてしまうことをお勧めします。

「売掛金の譲渡による非課税売上げ」もまた支払手段と同様に、課税売上割合の計算上、除外することになっていますので(令48条2項)、これもまた消費税の計算にはまったく影響しません。
そのため実際の仕訳では先ほどと同様に、消費税の「対象外」としてしまうことをお勧めします。

この個人の最後の確定申告では、商品売上が事業所得、建物が分離・譲渡所得になりますが、所得税の所得区分に関係なく、消費税の対象となるものを拾い忘れないようにしてください。
(もちろん、免税事業者であれば関係ありませんから無視してください。)


一方、個人側において「課税売上げ」となったものは、法人側においてはもちろん「課税仕入れ」となります。
具体的にいうと、建物、器具備品、仕入が「課税仕入れ」になります。

>法人成りによる個人事業の引継ぎの場合、個人事業の最後の貸借は未収金しか残らないということでしょうか?

そのとおりです。
ただ単なる資産の売却ですから、その法人に対する売却代金の未収債権が最後に残るわけですね。
(今回は現物出資方式ではないので、株式にはならない。)

そして後日法人から支払われれば、それもなくなります。


ちなみに、個人事業者の最後の確定申告において注意すべきなので、消費税の計算です。

個々の資産は時価=簿価で売却していますから、この法人成りによる資産の譲渡による所得(利益)は基本的に生じません。
営業権売却益はやらないとした場合。)

そのため、所得税の確定申告では、事業用固定資産の譲渡を譲渡所得で計算しても譲渡所得はゼロになります。
そのため、めんどくさかったら全部事業所得でやってしまうという超手抜きな申告方法も考えられます。(笑)

しかし、所得(利益)はなくても、資産の譲渡対価が消費税の課税対象にはなるという点に注意が必要です。

所得税における所得区分が何になろうとも、消費税の課税対象の有無とは関係ありません。
つまり、事業所得になろうが譲渡所得になろうが(あるいは他の所得になろうが)、商品や事業用固定資産の譲渡は消費税の計算上、あくまでも「課税売上げ」「非課税売上げ」になる点に注意してください。

前述の仕訳でいえば、消費税法上の区分は、
 ・現金預金・・・支払手段の譲渡であり「非課税売上げ」
 ・売掛金・・・消費税法上は有価証券に類するもの(金銭債権)の譲渡であり「非課税売上げ」
 ・建物、器具備品・・・もちろん「課税売上げ」
 ・商品の売上・・・もちろん「課税売上げ」
となります。

このうち、「支払手段の譲渡による非課税売上げ」は、課税売上割合の計算上、除外することになっていますので(令48条2項)、結局のところ、消費税の計算にはまったく影響しません。
そのため、実際の仕訳では、消費税の「対象外」としてしまうことをお勧めします。

売掛金の譲渡による非課税売上げ」もまた支払手段と同様に、課税売上割合の計算上、除外することになっていますので(令48条2項)、これもまた消費税の計算にはまったく影響しません。
そのため実際の仕訳では先ほどと同様に、消費税の「対象外」としてしまうことをお勧めします。

この個人の最後の確定申告では、商品売上が事業所得、建物が分離・譲渡所得になりますが、所得税の所得区分に関係なく、消費税の対象となるものを拾い忘れないようにしてください。
(もちろん、免税事業者であれば関係ありませんから無視してください。)


一方、個人側において「課税売上げ」となったものは、法人側においてはもちろん「課税仕入れ」となります。
具体的にいうと、建物、器具備品、仕入が「課税仕入れ」になります。

返信

5. Re: 法人への引継ぎ

2009/07/31 17:03

predator

常連さん

編集

sika-sika様

消費税については確かに気をつけなければいけないなと思っていました。個人事業分は課税事業者になるので、商品の売却、資産の売却という形をとって消費税の計算をしなければいけないですね。

法人に関しては1期目で資本金1,000万未満なので免税事業者となるので消費税は関係なくなります。

後は個人事業の最後の処理を考えていかなければいけないと思うのですが、またちょっと違う疑問が出てきました。

個人の最後は未収金が残るということですが、負債の方が多い場合はどのような処理になるんでしょうか?

ちょっと質問が変わってしまいましたが宜しくお願いします。

sika-sika様

消費税については確かに気をつけなければいけないなと思っていました。個人事業分は課税事業者になるので、商品の売却、資産の売却という形をとって消費税の計算をしなければいけないですね。

法人に関しては1期目で資本金1,000万未満なので免税事業者となるので消費税は関係なくなります。

後は個人事業の最後の処理を考えていかなければいけないと思うのですが、またちょっと違う疑問が出てきました。

個人の最後は未収金が残るということですが、負債の方が多い場合はどのような処理になるんでしょうか?

ちょっと質問が変わってしまいましたが宜しくお願いします。

返信

6. Re: 法人への引継ぎ

2009/07/31 20:45

しかしか

さらにすごい常連さん

編集

>負債の方が多い場合はどのような処理になるんでしょうか?


それは、新法人に引き継がせた資産よりも、引き継がせた買掛金などの負債のほうが大きい場合、という意味でしょうか。


それについては仕訳で考えてみましょう。

(1)個人側(諸資産100、負債140を法人に引き継がせる。)

イ.
 未収金 100  / 現金預金 10 
           / 売掛金   20
           / 建物    30(課税売上げ)
           / 器具備品 25(課税売上げ)
           / 売上    15(課税売上げ)

ロ.
 買掛金 140  / 未収金100
           / 未払金 40

会社に肩代わりしてもらった負債(買掛金)のほうが大きいので、差額は会社に対する未払債務40が残ります。


(2)法人側

イ.
 現金預金 10 / 未払金 100
 売掛金   20 / 
 建物    30 /
 車両    25 /
 仕入    15 /

ロ.
 未払金100   / 買掛金 140
 未収金 40  /

個人から引き継いだ債務のほうが大きいので、差額は個人に対する未収債権となります。



考え方のコツは、最初にイ.資産の売却仕訳を確定させてから、ロ.債務を引き継がせて売却代金と相殺する、ということです。

つまり、「資産の売却」と「負債の引継ぎ」を分離して別々に考えるわけですね。

こうすれば消費税法上も、「資産の売却(資産の譲渡等)」と「負債の引継ぎ」は全然別々の関係ない取引となりますので、引き継ぐ負債がたとえいくらであろうとも、それは消費税の計算にはまったく影響しないことになります。

>負債の方が多い場合はどのような処理になるんでしょうか?


それは、新法人に引き継がせた資産よりも、引き継がせた買掛金などの負債のほうが大きい場合、という意味でしょうか。


それについては仕訳で考えてみましょう。

(1)個人側(諸資産100、負債140を法人に引き継がせる。)

イ.
 未収金 100  / 現金預金 10 
           / 売掛金   20
           / 建物    30(課税売上げ)
           / 器具備品 25(課税売上げ)
           / 売上    15(課税売上げ)

ロ.
 買掛金 140  / 未収金100
           / 未払金 40

会社に肩代わりしてもらった負債(買掛金)のほうが大きいので、差額は会社に対する未払債務40が残ります。


(2)法人側

イ.
 現金預金 10 / 未払金 100
 売掛金   20 / 
 建物    30 /
 車両    25 /
 仕入    15 /

ロ.
 未払金100   / 買掛金 140
 未収金 40  /

個人から引き継いだ債務のほうが大きいので、差額は個人に対する未収債権となります。



考え方のコツは、最初にイ.資産の売却仕訳を確定させてから、ロ.債務を引き継がせて売却代金と相殺する、ということです。

つまり、「資産の売却」と「負債の引継ぎ」を分離して別々に考えるわけですね。

こうすれば消費税法上も、「資産の売却(資産の譲渡等)」と「負債の引継ぎ」は全然別々の関係ない取引となりますので、引き継ぐ負債がたとえいくらであろうとも、それは消費税の計算にはまったく影響しないことになります。

返信

7. Re: 法人への引継ぎ

2009/08/06 18:52

predator

常連さん

編集

sika-sika様

返事が遅くなりましてすいません。

詳しい説明ありがとうございます。

負債の方が多くなると最終的には個人から法人への支払が必要になるということですね。

法人成りするときの個人事業からの引継ぎとういのは、最初は固定資産だけ売却という処理なのかなと思っていたのですが、その個人事業に関わる資産は売却、負債は引継と考えればいいんですね。

sika-sika様の返答には、いつも勉強になって助かっています。
これからも御意見宜しくお願いします。

sika-sika様

返事が遅くなりましてすいません。

詳しい説明ありがとうございます。

負債の方が多くなると最終的には個人から法人への支払が必要になるということですね。

法人成りするときの個人事業からの引継ぎとういのは、最初は固定資産だけ売却という処理なのかなと思っていたのですが、その個人事業に関わる資産は売却、負債は引継と考えればいいんですね。

sika-sika様の返答には、いつも勉強になって助かっています。
これからも御意見宜しくお願いします。

返信

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