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繰延税金資産の回収

質問 回答受付中

繰延税金資産の回収

2006/01/18 21:56

naohana

常連さん

回答数:2

編集

繰延税金資産の回収とは具体的にどういうことなのかよくわかりません。税金の前払いというところはわかるのですが、回収という意味がよくわかりません。
会社の資料に減価償却を定額から定率(逆かもしれません)にすることにより費用が増え、繰延税金資産の回収効果が出ると書いてあったのですが、なぜなのかがわかりません。
よろしくお願いします。

繰延税金資産の回収とは具体的にどういうことなのかよくわかりません。税金の前払いというところはわかるのですが、回収という意味がよくわかりません。
会社の資料に減価償却を定額から定率(逆かもしれません)にすることにより費用が増え、繰延税金資産の回収効果が出ると書いてあったのですが、なぜなのかがわかりません。
よろしくお願いします。

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1. Re: 繰延税金資産の回収

2006/01/21 00:14

おけ

さらにすごい常連さん

編集

あー、まずですね、繰延税金資産というのは、
税金の前払いそのものでは無いと考えたほうがいいかもしれません。

税法でいうところの税金の前払いというのは「予納」のことになりまして、
繰延税金資産とは何も関係ありません。

これを出発点にしてイメージすると、
本当は違うのだけども税金を前払いしたことにして
「前渡金」みたいな扱いで後日費用化する、
というのが繰延税金資産です。

で、これを簿記会計の立場から見ると、
せっかく簿記会計で認めた処理をしてもらったのに
税法が勝手に別規定を敷くものだから、
税金を先取りされてしまった、となります。

つまり、簿記会計の立場からは、税金の前払いに違いないといえるんです。


ここから何が見えるかというと、
繰延税金資産を税金の前払いそのものだと捉えてこれを出発点にするなら、
繰延税金資産について考える際には、
簿記会計の世界の視点ですべてを見ていくのが良さそうだ、
ということです。

そこで簿記会計の世界で「資産」がどういう位置付けになっているのかを見ると、
資産は利益を生み出すために差し出した投資や道具だ、とされています。

資産は、利益を生むために投資したもの、あるいは誰かに渡した道具ですから、
これを回収しなければ、まるまる損となってしまいます。

実際にも、売掛金などを想像していただくとイメージが湧くかと思うのですが、
商売人は、まるまる損を出来るだけ避けるために、資産の回収に走るわけです。


ただし、ここでいう「回収」は、別にお金やモノで回収することだけを
指しているのではありません。

簿記会計の世界ですから、仕訳上で資産を消し込めれば十分です。
まるまる損にならない資産の消し込みが、簿記会計でいうところの回収なわけです。

例えば「建物」は、
利益を生み出す道具として減価償却費を毎期計上することによって、
建物に投資したぶんを回収しているわけです。

繰延税金資産も、国や地方自治体に前もって差し出した税金を表していますから、
これを「法人税等調整額」という損益計算書勘定科目によって消し込めば、
回収したといえるんです。


さて、減価償却費の償却方法による繰延税金資産への影響ですが、
こんな感じで考えていくといいように思います。

まず、償却方法のうち定率法は定額法に比べて、
初期の費用計上額が大きくなります。
(なぜ?とお思いでしたら、解説書などを紐解いてみてくださいね〜。)

逆に記せば、定額法のほうが、初期の費用計上額を少なくできます。

これは変更期でも同じでして、定率法から定額法に変更すると、
費用計上額を当面のあいだは小さくできるのです。

費用計上額が少なくなるということは、
それだけ利益を大きくすることができる、
ということになります。

ここで思い出してほしいのが、繰延税金資産は利益が大きいほど、
法人税等調整額へ多く振り替えられる(=繰延税金資産を多く回収できる)
ということです。
(この点についてもしっくり来ないようでしたら、
 過去ログや解説書などをご覧ください。
 これにも手を広げると、収拾がつかなくなりそうなので・・・。)

となると、定額法のほうが当面のあいだは利益を大きくすることが出来ますから、
こちらのほうが繰延税金資産を多く回収できる、
つまりは当面のあいだは回収効果がより高くなる、
といえますネ。

あー、まずですね、繰延税金資産というのは、
税金の前払いそのものでは無いと考えたほうがいいかもしれません。

税法でいうところの税金の前払いというのは「予納」のことになりまして、
繰延税金資産とは何も関係ありません。

これを出発点にしてイメージすると、
本当は違うのだけども税金を前払いしたことにして
前渡金」みたいな扱いで後日費用化する、
というのが繰延税金資産です。

で、これを簿記会計の立場から見ると、
せっかく簿記会計で認めた処理をしてもらったのに
税法が勝手に別規定を敷くものだから、
税金を先取りされてしまった、となります。

つまり、簿記会計の立場からは、税金の前払いに違いないといえるんです。


ここから何が見えるかというと、
繰延税金資産を税金の前払いそのものだと捉えてこれを出発点にするなら、
繰延税金資産について考える際には、
簿記会計の世界の視点ですべてを見ていくのが良さそうだ、
ということです。

そこで簿記会計の世界で「資産」がどういう位置付けになっているのかを見ると、
資産は利益を生み出すために差し出した投資や道具だ、とされています。

資産は、利益を生むために投資したもの、あるいは誰かに渡した道具ですから、
これを回収しなければ、まるまる損となってしまいます。

実際にも、売掛金などを想像していただくとイメージが湧くかと思うのですが、
商売人は、まるまる損を出来るだけ避けるために、資産の回収に走るわけです。


ただし、ここでいう「回収」は、別にお金やモノで回収することだけを
指しているのではありません。

簿記会計の世界ですから、仕訳上で資産を消し込めれば十分です。
まるまる損にならない資産の消し込みが、簿記会計でいうところの回収なわけです。

例えば「建物」は、
利益を生み出す道具として減価償却費を毎期計上することによって、
建物に投資したぶんを回収しているわけです。

繰延税金資産も、国や地方自治体に前もって差し出した税金を表していますから、
これを「法人税等調整額」という損益計算書勘定科目によって消し込めば、
回収したといえるんです。


さて、減価償却費の償却方法による繰延税金資産への影響ですが、
こんな感じで考えていくといいように思います。

まず、償却方法のうち定率法は定額法に比べて、
初期の費用計上額が大きくなります。
(なぜ?とお思いでしたら、解説書などを紐解いてみてくださいね〜。)

逆に記せば、定額法のほうが、初期の費用計上額を少なくできます。

これは変更期でも同じでして、定率法から定額法に変更すると、
費用計上額を当面のあいだは小さくできるのです。

費用計上額が少なくなるということは、
それだけ利益を大きくすることができる、
ということになります。

ここで思い出してほしいのが、繰延税金資産は利益が大きいほど、
法人税等調整額へ多く振り替えられる(=繰延税金資産を多く回収できる)
ということです。
(この点についてもしっくり来ないようでしたら、
 過去ログや解説書などをご覧ください。
 これにも手を広げると、収拾がつかなくなりそうなので・・・。)

となると、定額法のほうが当面のあいだは利益を大きくすることが出来ますから、
こちらのほうが繰延税金資産を多く回収できる、
つまりは当面のあいだは回収効果がより高くなる、
といえますネ。

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2. Re: 繰延税金資産の回収

2006/01/21 01:41

PTA

すごい常連さん

編集

詳細な解説のあとに蛇足のようで恐縮ですが・・・

経理でよく聞くことの一つに、節税するために、費用で落とせるものは少しでも費用で処理しようという話があります。利益を減らせば、税金が減るからですね。

ところが、長期で使用する建物とか機械などは、一発で経費とはならず、使用期間にわたって少しずつ費用化します。減価償却費です。
先端企業では、商品の進歩のサイクルが早く、次の設備投資を早くできるように、できるだけ短い期間で償却を済まそうとします。短い期間で償却するから、毎年の償却費は大きくなりますから利益が減って、税金も減ってしまう・・・

これでは、税務署は黙っているわけには行かないので、減価償却の方法を決めて、税法で決まったやり方で償却したら損金と認めるが、それ以上いくら償却しても経費とは認めないとしているのです。

したがって、税法の規定どおり償却していれば、会計と税務は一致しますから、繰延税金資産は発生しないはずです。

先ほどの先端企業では悠長に償却していたら置いていかれるので、税法上は損金にならないとわかっていてもあえて会計上は償却をすすめます。こういう場合は、会計上は費用としていますが、税務上は損金とはならず税金を支払ってしまいます。
でも、設備ですからこの先も償却は続きますし、いつかは陳腐化し廃棄されます。そうなれば、税法上も晴れて損金と認められます。ここで、会計と税務が初めて一致を見ることになり、以前に支払った税金が結果的に今期に回収できたというカタチになるということです。費用や損失が実現するという言い方をすることもあります。

ということで、償却限度超過額が発生している場合は、定率法にしたほうが早く回収できると言うことでしょう。
まあ、そんな恣意的な理由で定率法に変更することは現実的には問題かもしれませんが・・・
(結局、長老と同じ事を言っているだけで恥ずかしいですが)

詳細な解説のあとに蛇足のようで恐縮ですが・・・

経理でよく聞くことの一つに、節税するために、費用で落とせるものは少しでも費用で処理しようという話があります。利益を減らせば、税金が減るからですね。

ところが、長期で使用する建物とか機械などは、一発で経費とはならず、使用期間にわたって少しずつ費用化します。減価償却費です。
先端企業では、商品の進歩のサイクルが早く、次の設備投資を早くできるように、できるだけ短い期間で償却を済まそうとします。短い期間で償却するから、毎年の償却費は大きくなりますから利益が減って、税金も減ってしまう・・・

これでは、税務署は黙っているわけには行かないので、減価償却の方法を決めて、税法で決まったやり方で償却したら損金と認めるが、それ以上いくら償却しても経費とは認めないとしているのです。

したがって、税法の規定どおり償却していれば、会計と税務は一致しますから、繰延税金資産は発生しないはずです。

先ほどの先端企業では悠長に償却していたら置いていかれるので、税法上は損金にならないとわかっていてもあえて会計上は償却をすすめます。こういう場合は、会計上は費用としていますが、税務上は損金とはならず税金を支払ってしまいます。
でも、設備ですからこの先も償却は続きますし、いつかは陳腐化し廃棄されます。そうなれば、税法上も晴れて損金と認められます。ここで、会計と税務が初めて一致を見ることになり、以前に支払った税金が結果的に今期に回収できたというカタチになるということです。費用や損失が実現するという言い方をすることもあります。

ということで、償却限度超過額が発生している場合は、定率法にしたほうが早く回収できると言うことでしょう。
まあ、そんな恣意的な理由で定率法に変更することは現実的には問題かもしれませんが・・・
(結局、長老と同じ事を言っているだけで恥ずかしいですが)

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