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前回の書き込みではよくわからないかもしれませんが、所得税法でいうところの「給与所得」や「退職所得」の概念は、労働法などの他の法律とはかなり違う?ので、一応参考までに補足説明しておきます。
給与所得の意義
所得税法第28条
給与所得とは、俸給、給料、賃金、歳費及び賞与並びにこれらの性質を有する給与に係る所得をいう。
退職所得の意義(o_kさんのお書きになられているものと同じ)
所得税法第30条
退職所得とは、退職手当、一時恩給その他の退職により一時に受ける給与及びこれらの性質を有する給与に係る所得をいう。
ここで何を言いたいかというと、給与になるもののうち、「退職により一時に受ける給与及びこれらの性質を有する給与」だけが退職所得になるのだということです。
つまり、「給与」という広い概念の中に「退職金」という狭い概念があると考えていただけるとわかりやすいかと思います。
従業員が会社から受け取る金品で給与になるものは、そのまま「給与所得」になる場合と、「退職所得」になる場合に分かれるのであって、最初から給与にならなければ、当然「退職所得」にはなりません。
「給与」と「退職金」の概念は、所得税法上は基本的にどちらも同じものですが、退職時により一時に受け取るものだけを退職金(退職所得)と考えているわけですね。
ただし、退職金については、退職後の生活保障資金としての性格を帯びていますので、退職所得に対する所得税の計算方法は給与所得とは全く異なります。
退職所得に対する所得税の計算方法は、「分離課税」という方法で計算します。
分離課税とは、そのほかの所得とは全く関係なく、その所得単独で課税計算する方法です。
ちなみに所得税の基本は、「総合課税」です。
総合課税とは、その人のもろもろの各種所得(配当所得、不動産所得、給与所得、事業所得・・・etc)をすべて合算して「総所得金額」というひとつの巨大な塊をつくり、これに所得税率をかけて課税するという方法です。
退職所得は、この総所得金額には合算されません。
つまり、その人にほかにどんな所得があろうとも関係なく、
退職所得の金額×所得税率=退職所得に対する所得税額
として計算され、これで終わりです。
また、この「退職所得の金額」の計算方法ですが、これは、
1.退職手当等の金額
2.退職所得控除額
3. (1.-2.)×2分の1=退職所得の金額
となります。
ここでポイントとなるのは、「2.退職所得控除額」の計算方法です。
退職所得控除額とは、「勤続年数×40万円」で計算されます。
たとえば、勤続年数5年であれば、
勤続年数5年×40万円=2,000,000円となります。
したがって、もし勤続年数5年で300万円の退職金受け取った場合、所得税額は、
1.退職手当等の金額 3,000,000円
2.退職所得控除額 5年×40万円=2,000,000円
3.退職所得の金額=(1.-2.)×2分の1=500,000万円
4.上記に対する所得税額
退職所得の金額500,000円×所得税率10%=50,000円
となり、この5万円だけですべての所得税の課税関係が完了します。
(本当はこのほかに住民税が課税されます。)
ということは、退職金の金額が「勤続年数×40万円」以下であれば、所得税も住民税も課税されないことになります。
どうですか?
karajanさんのご質問された会社の退職金は、有給買取りを含めたとしても、たぶん「勤続年数×40万円」以下におさまってしまうのではありませんか?
そうであれば、有給買取金額を退職金としても、税金は全く課税されないことになります。
参考
退職所得の金額の計算方法
http://www.taxanser.nta.go.jp/1423.htm
前回の書き込みではよくわからないかもしれませんが、所得税法でいうところの「給与所得」や「退職所得」の概念は、労働法などの他の法律とはかなり違う?ので、一応参考までに補足説明しておきます。
給与所得の意義
所得税法第28条
給与所得とは、俸給、給料、賃金、歳費及び賞与並びにこれらの性質を有する給与に係る所得をいう。
退職所得の意義(o_kさんのお書きになられているものと同じ)
所得税法第30条
退職所得とは、退職手当、一時恩給その他の退職により一時に受ける給与及びこれらの性質を有する給与に係る所得をいう。
ここで何を言いたいかというと、給与になるもののうち、「退職により一時に受ける給与及びこれらの性質を有する給与」だけが退職所得になるのだということです。
つまり、「給与」という広い概念の中に「退職金」という狭い概念があると考えていただけるとわかりやすいかと思います。
従業員が会社から受け取る金品で給与になるものは、そのまま「給与所得」になる場合と、「退職所得」になる場合に分かれるのであって、最初から給与にならなければ、当然「退職所得」にはなりません。
「給与」と「退職金」の概念は、所得税法上は基本的にどちらも同じものですが、退職時により一時に受け取るものだけを退職金(退職所得)と考えているわけですね。
ただし、退職金については、退職後の生活保障資金としての性格を帯びていますので、退職所得に対する所得税の計算方法は給与所得とは全く異なります。
退職所得に対する所得税の計算方法は、「分離課税」という方法で計算します。
分離課税とは、そのほかの所得とは全く関係なく、その所得単独で課税計算する方法です。
ちなみに所得税の基本は、「総合課税」です。
総合課税とは、その人のもろもろの各種所得(配当所得、不動産所得、給与所得、事業所得・・・etc)をすべて合算して「総所得金額」というひとつの巨大な塊をつくり、これに所得税率をかけて課税するという方法です。
退職所得は、この総所得金額には合算されません。
つまり、その人にほかにどんな所得があろうとも関係なく、
退職所得の金額×所得税率=退職所得に対する所得税額
として計算され、これで終わりです。
また、この「退職所得の金額」の計算方法ですが、これは、
1.退職手当等の金額
2.退職所得控除額
3. (1.-2.)×2分の1=退職所得の金額
となります。
ここでポイントとなるのは、「2.退職所得控除額」の計算方法です。
退職所得控除額とは、「勤続年数×40万円」で計算されます。
たとえば、勤続年数5年であれば、
勤続年数5年×40万円=2,000,000円となります。
したがって、もし勤続年数5年で300万円の退職金受け取った場合、所得税額は、
1.退職手当等の金額 3,000,000円
2.退職所得控除額 5年×40万円=2,000,000円
3.退職所得の金額=(1.-2.)×2分の1=500,000万円
4.上記に対する所得税額
退職所得の金額500,000円×所得税率10%=50,000円
となり、この5万円だけですべての所得税の課税関係が完了します。
(本当はこのほかに住民税が課税されます。)
ということは、退職金の金額が「勤続年数×40万円」以下であれば、所得税も住民税も課税されないことになります。
どうですか?
karajanさんのご質問された会社の退職金は、有給買取りを含めたとしても、たぶん「勤続年数×40万円」以下におさまってしまうのではありませんか?
そうであれば、有給買取金額を退職金としても、税金は全く課税されないことになります。
参考
退職所得の金額の計算方法
http://www.taxanser.nta.go.jp/1423.htm
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