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居住用建物の建設は他社に発注して取得するものと考えて、
ここで問題なのは、「居住用建物」の取得とは、非課税売上げ(個人からの家賃収入)に個別的に対応する課税仕入れであるという点です。
したがって、3年後に課税事業者であった場合には、「課税売上割合が著しく変動した場合の調整対象固定資産に係る消費税額の調整」をしなければならなくなります。
<前提条件>
・当社は毎年1月31日を決算日とする1年決算法人である。(当期を仮に第10期とする。)
・毎月の課税売上高は30万円、課税仕入れは20万円で毎年一定であると仮定する。
・平成17年10月31日までに「課税期間特例選択・変更届出書」を提出し、平成17年11月1日から毎回3ヶ月ごとの課税期間で消費税の申告をするものとする。
・これと同時に「課税事業者選択届出書」を提出し、11月1日から最低2年間は課税事業者として消費税の申告義務を負うものとする。
・居住用建物の完成はH18.1月とし、取得価格5千万円+消費税250万円はこの時点で全額課税仕入れとする。
・H18.2月以降は家賃収入(非課税売上)が毎月120万円(3ヶ月分では360万円)生じるものとする。
・消費税の計算は、正しくは国4%と地方1%に分けてそれぞれ計算するが、ここではまとめて5%として概算計算する。
<消費税の概算>
H17.11.1−H18.1.31の課税期間(第10期)
課税売上高 300,000円×3ヶ月=900,000円
上記の消費税額(5%) 45,000円
課税売上割合 100%(非課税売上げはなかったものとする。)
毎月の課税仕入れに係る消費税 200,000円×5%×3ヶ月=30,000円
居住用建物5千万円に係る消費税 5千万円×5%=2,500,000円
仕入税額控除合計 (30,000+2,500,000)×課税売上割合100%=2,530,000円
納付すべき消費税 45,000−2,530,000=−2,485,000すなわち還付税額2,485,000円
H18.2.1−H18.4.30の課税期間(第11期)
課税売上高 300,000円×3ヶ月=900,000円
上記の消費税額(5%) 45,000円
課税売上割合 課税売上90万円÷(課税売上90万円+非課税売上360万円)=20%
毎月の課税仕入れに係る消費税 200,000円×5%×3ヶ月=30,000円
なお、この課税仕入れは全額が「課税売上げ」と「非課税売上げ」の両方に共通して
要するものとここでは仮定して計算する。
仕入税額控除 共通消費税30,000×課税売上割合20%=6,000円
納付すべき消費税 45,000−6,000円=39,000円
H18.5.1−H18.7.31の課税期間(第11期)・・・ 同上(納付消費税 39,000円)
H18.8.1−H18.10.31の課税期間(第11期)・・・ 同上(納付消費税 39,000円)
H18.11.1−H19.1.31の課税期間(第11期)・・・ 同上(納付消費税 39,000円)
H19.2.1−H19.4.30の課税期間(第12期)・・・ 同上(納付消費税 39,000円)
H19.5.1−H19.7.31の課税期間(第12期)・・・ 同上(納付消費税 39,000円)
H19.8.1−H19.10.31の課税期間(第12期)・・・ 同上(納付消費税 39,000円)
ここで、「課税事業者選択不適用届出書」を平成19年8月1日から10月31日までの間に税務署に提出すれば、平成19年11月1日からは免税事業者に戻ることができます。
したがって、H19.11.1以降の課税期間は消費税の申告・納税とも不要になります。
また、ついでに「課税期間特例選択不適用届出書」を平成19年8月1日から平成20年1月31日までの間に税務署に提出すれば、平成20年2月1日から課税期間が1年に戻ります。
ここで重要なのは、平成19年8月1日から10月31日までの間に必ず課税事業者選択不適用届出書」を税務署に提出してさっさと平成19年11月1日から免税事業者に戻るということです。
(これで今回の話は全ておしまいになります。)
しかし、もしもこれを忘れてずっとそのままにしていると・・・
「課税事業者選択不適用届出書」「課税期間特例選択不適用届出書」の両方をずっと提出し忘れていたと仮定した場合、建物について課税仕入れがあった課税期間の開始日(平成17.11.1)から3年を経過する課税期間、つまり平成20年8月1日から10月31日までの課税期間において、「課税売上割合が著しく変動した場合の調整対象固定資産に係る消費税額の調整」をやらなくてはなりません。
この消費税額の調整というのは、過去3年間の平均課税売上割合を求めて、実際に建物を取得して仕入税額控除した金額(2,500,000円を100%全額控除しましたね。)が平均課税売上割合を超えている部分については、その超えている部分を国が取り戻す、というものです。
つまり、建物の消費税について100%全額を仕入税額控除した計算を認めませんよ、もう一度平均課税売上割合を使って計算しなおして、それよりも多く控除していた部分を返してください、ということです。
具体的には、
建物の消費税2,500,000−2,500,000×平均課税売上割合=仕入税額控除を認めない金額
となります。
この「仕入税額控除を認めない金額」については、平成20年8月1日から10月31日までの課税期間の納付すべき消費税額に加算して納付することになります。
ですから、それまでにさっさと免税事業者に戻っておかないと、将来大損することになります。
居住用建物の建設は他社に発注して取得するものと考えて、
ここで問題なのは、「居住用建物」の取得とは、非課税売上げ(個人からの家賃収入)に個別的に対応する課税仕入れであるという点です。
したがって、3年後に課税事業者であった場合には、「課税売上割合が著しく変動した場合の調整対象固定資産に係る消費税額の調整」をしなければならなくなります。
<前提条件>
・当社は毎年1月31日を決算日とする1年決算法人である。(当期を仮に第10期とする。)
・毎月の課税売上高は30万円、課税仕入れは20万円で毎年一定であると仮定する。
・平成17年10月31日までに「課税期間特例選択・変更届出書」を提出し、平成17年11月1日から毎回3ヶ月ごとの課税期間で消費税の申告をするものとする。
・これと同時に「課税事業者選択届出書」を提出し、11月1日から最低2年間は課税事業者として消費税の申告義務を負うものとする。
・居住用建物の完成はH18.1月とし、取得価格5千万円+消費税250万円はこの時点で全額課税仕入れとする。
・H18.2月以降は家賃収入(非課税売上)が毎月120万円(3ヶ月分では360万円)生じるものとする。
・消費税の計算は、正しくは国4%と地方1%に分けてそれぞれ計算するが、ここではまとめて5%として概算計算する。
<消費税の概算>
H17.11.1−H18.1.31の課税期間(第10期)
課税売上高 300,000円×3ヶ月=900,000円
上記の消費税額(5%) 45,000円
課税売上割合 100%(非課税売上げはなかったものとする。)
毎月の課税仕入れに係る消費税 200,000円×5%×3ヶ月=30,000円
居住用建物5千万円に係る消費税 5千万円×5%=2,500,000円
仕入税額控除合計 (30,000+2,500,000)×課税売上割合100%=2,530,000円
納付すべき消費税 45,000−2,530,000=−2,485,000すなわち還付税額2,485,000円
H18.2.1−H18.4.30の課税期間(第11期)
課税売上高 300,000円×3ヶ月=900,000円
上記の消費税額(5%) 45,000円
課税売上割合 課税売上90万円÷(課税売上90万円+非課税売上360万円)=20%
毎月の課税仕入れに係る消費税 200,000円×5%×3ヶ月=30,000円
なお、この課税仕入れは全額が「課税売上げ」と「非課税売上げ」の両方に共通して
要するものとここでは仮定して計算する。
仕入税額控除 共通消費税30,000×課税売上割合20%=6,000円
納付すべき消費税 45,000−6,000円=39,000円
H18.5.1−H18.7.31の課税期間(第11期)・・・ 同上(納付消費税 39,000円)
H18.8.1−H18.10.31の課税期間(第11期)・・・ 同上(納付消費税 39,000円)
H18.11.1−H19.1.31の課税期間(第11期)・・・ 同上(納付消費税 39,000円)
H19.2.1−H19.4.30の課税期間(第12期)・・・ 同上(納付消費税 39,000円)
H19.5.1−H19.7.31の課税期間(第12期)・・・ 同上(納付消費税 39,000円)
H19.8.1−H19.10.31の課税期間(第12期)・・・ 同上(納付消費税 39,000円)
ここで、「課税事業者選択不適用届出書」を平成19年8月1日から10月31日までの間に税務署に提出すれば、平成19年11月1日からは免税事業者に戻ることができます。
したがって、H19.11.1以降の課税期間は消費税の申告・納税とも不要になります。
また、ついでに「課税期間特例選択不適用届出書」を平成19年8月1日から平成20年1月31日までの間に税務署に提出すれば、平成20年2月1日から課税期間が1年に戻ります。
ここで重要なのは、平成19年8月1日から10月31日までの間に必ず課税事業者選択不適用届出書」を税務署に提出してさっさと平成19年11月1日から免税事業者に戻るということです。
(これで今回の話は全ておしまいになります。)
しかし、もしもこれを忘れてずっとそのままにしていると・・・
「課税事業者選択不適用届出書」「課税期間特例選択不適用届出書」の両方をずっと提出し忘れていたと仮定した場合、建物について課税仕入れがあった課税期間の開始日(平成17.11.1)から3年を経過する課税期間、つまり平成20年8月1日から10月31日までの課税期間において、「課税売上割合が著しく変動した場合の調整対象固定資産に係る消費税額の調整」をやらなくてはなりません。
この消費税額の調整というのは、過去3年間の平均課税売上割合を求めて、実際に建物を取得して仕入税額控除した金額(2,500,000円を100%全額控除しましたね。)が平均課税売上割合を超えている部分については、その超えている部分を国が取り戻す、というものです。
つまり、建物の消費税について100%全額を仕入税額控除した計算を認めませんよ、もう一度平均課税売上割合を使って計算しなおして、それよりも多く控除していた部分を返してください、ということです。
具体的には、
建物の消費税2,500,000−2,500,000×平均課税売上割合=仕入税額控除を認めない金額
となります。
この「仕入税額控除を認めない金額」については、平成20年8月1日から10月31日までの課税期間の納付すべき消費税額に加算して納付することになります。
ですから、それまでにさっさと免税事業者に戻っておかないと、将来大損することになります。
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