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臨時株主総会決議で足ります。定時株主総会に拘る必要はありません。
税法は、民商法や会計諸則の定めを前提に、これを必要に応じて修正して課税標準を定めます。すなわち、修正の必要がなければ特に修正の定めを置きません。
定期同額給与の定めは、民法・会社法等に定める役員報酬等の決議手続きのうち、ごく一部を修正しています。すなわち、「期首から3ヶ月以内(保険会社では4ヶ月以内)」とした部分が修正事項です。それ以外は特に修正しておりません。
ここで、株式会社における役員報酬等の決議手続きの基本形を見てみると、株主総会で決議せよ、とされています。すなわち、定時株主総会に限っているものではありません。
定時でなくて良いという点については、会社法の条文で説明が出来ます。すなわち、会社法は、「定時株主総会」と定時に限らない「株主総会」とを明確に使い分けています。これが最も端的に現れているのが、株主総会の招集について定めた296条です。同条では、1項で「定時株主総会」、2項と3項で「株主総会」という用語をそれぞれ使用しており、両者を使い分けていることを明示しています。また、計算書類に関する438条でも、「定時株主総会」という用語が見られます。そこで、役員報酬等の決議手続きを定めた361条1項を見れば、「株主総会」とのみ指定しています。これは、定時株主総会に限っていないことを表したものです。
税法でこの点を修正している規定は存在しませんから、会社法の定めどおり、役員報酬等(税法でいう役員給与)の決議をする株主総会は定時株主総会でなくて一向に構いません。お書きの税務職員の回答は、誤りです(残念ながら、税務職員の中には、民商法の知識経験を欠く方がいらっしゃるものです)。
ではなぜ「期首から3ヶ月」にしたのかというと、これは、実務慣行に影響しない範囲内で、税法が最大限譲歩した結果です。
すなわち、旧商法時代から、期首3ヶ月以内の定時株主総会における役員報酬決議が企業慣行として広くおこなわれていました。他方、税法は、企業の恣意的利益調整の可能性を失わせる必要があります。
仮に、役員報酬決議を期首から出来るだけ遅らせることが出来れば、当期の年間利益予想の精度が高まり、それだけ役員報酬が利益調整に使われるおそれも高まります。そのため、税法の立場からは、期首以降できるだけ早い時期に役員報酬を確定させたいところです。しかしながら、実務をあまりに無視した定めを置くことも出来ませんから、実務に影響の少ない「期首から3ヶ月」で譲歩したのです。
参考までに、「期首から3ヶ月」の定時株主総会は、法定事項ではありません。その必要がない場合もあります。例えば、税務申告は確定決算が必要であるところ、会計監査人設置会社で一定の条件を満たす会社は、確定決算に株主総会決議を必要としません。また、基準日も必要とは限りません。したがって、定時株主総会は、期首から3ヶ月以内に開催する必要があるとは限らないのです。
もうひとつ、「定期同額給与は一回決めたら変えられない」とのコメントが見られますが、改定の効力発生日以降は変えられない、という意味において、正しいものといえます。すなわち、改定の効力発生日までは、変更可能です。民商法でこれが認められており、税法でこれを修正してはいないからです(税法では「改定」を基準としているところ、通達やQ&Aからこれが効力発生日を指すものと解することが出来ます)。無論、改定の効力発生日が「期首から3ヶ月」以内でなければならないのは、言うまでもありません。
臨時株主総会決議で足ります。定時株主総会に拘る必要はありません。
税法は、民商法や会計諸則の定めを前提に、これを必要に応じて修正して課税標準を定めます。すなわち、修正の必要がなければ特に修正の定めを置きません。
定期同額給与の定めは、民法・会社法等に定める役員報酬等の決議手続きのうち、ごく一部を修正しています。すなわち、「期首から3ヶ月以内(保険会社では4ヶ月以内)」とした部分が修正事項です。それ以外は特に修正しておりません。
ここで、株式会社における役員報酬等の決議手続きの基本形を見てみると、株主総会で決議せよ、とされています。すなわち、定時株主総会に限っているものではありません。
定時でなくて良いという点については、会社法の条文で説明が出来ます。すなわち、会社法は、「定時株主総会」と定時に限らない「株主総会」とを明確に使い分けています。これが最も端的に現れているのが、株主総会の招集について定めた296条です。同条では、1項で「定時株主総会」、2項と3項で「株主総会」という用語をそれぞれ使用しており、両者を使い分けていることを明示しています。また、計算書類に関する438条でも、「定時株主総会」という用語が見られます。そこで、役員報酬等の決議手続きを定めた361条1項を見れば、「株主総会」とのみ指定しています。これは、定時株主総会に限っていないことを表したものです。
税法でこの点を修正している規定は存在しませんから、会社法の定めどおり、役員報酬等(税法でいう役員給与)の決議をする株主総会は定時株主総会でなくて一向に構いません。お書きの税務職員の回答は、誤りです(残念ながら、税務職員の中には、民商法の知識経験を欠く方がいらっしゃるものです)。
ではなぜ「期首から3ヶ月」にしたのかというと、これは、実務慣行に影響しない範囲内で、税法が最大限譲歩した結果です。
すなわち、旧商法時代から、期首3ヶ月以内の定時株主総会における役員報酬決議が企業慣行として広くおこなわれていました。他方、税法は、企業の恣意的利益調整の可能性を失わせる必要があります。
仮に、役員報酬決議を期首から出来るだけ遅らせることが出来れば、当期の年間利益予想の精度が高まり、それだけ役員報酬が利益調整に使われるおそれも高まります。そのため、税法の立場からは、期首以降できるだけ早い時期に役員報酬を確定させたいところです。しかしながら、実務をあまりに無視した定めを置くことも出来ませんから、実務に影響の少ない「期首から3ヶ月」で譲歩したのです。
参考までに、「期首から3ヶ月」の定時株主総会は、法定事項ではありません。その必要がない場合もあります。例えば、税務申告は確定決算が必要であるところ、会計監査人設置会社で一定の条件を満たす会社は、確定決算に株主総会決議を必要としません。また、基準日も必要とは限りません。したがって、定時株主総会は、期首から3ヶ月以内に開催する必要があるとは限らないのです。
もうひとつ、「定期同額給与は一回決めたら変えられない」とのコメントが見られますが、改定の効力発生日以降は変えられない、という意味において、正しいものといえます。すなわち、改定の効力発生日までは、変更可能です。民商法でこれが認められており、税法でこれを修正してはいないからです(税法では「改定」を基準としているところ、通達やQ&Aからこれが効力発生日を指すものと解することが出来ます)。無論、改定の効力発生日が「期首から3ヶ月」以内でなければならないのは、言うまでもありません。
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