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Re: 支店を別会社化
2007/04/02 14:03
税金面でのメリット・デメリット
1.本店が黒字、支店が赤字の場合
本社の黒字が1,000、支店の赤字が500であると仮定しましょう。
法人税・住民税・事業税の税率は全部あわせてだいたい40%と仮定します。
<本支店経営の場合>
本店の利益 1,000
支店の利益 △500
合計:会社全体の利益 1,000−500=500
上記に対する税金 500×40%=200
<親子会社経営の場合>
親会社の利益 1,000
上記に対する税金 1,000×40%=400
子会社の利益 △500
上記に対する税金 なし
親会社の税金400+子会社の税金0=400
というわけで、支店を別会社にすると、子会社の赤字が親会社の税金の計算上、無視されますので、トータルの税金は本支店経営の場合よりもぐっと増えます。
これを回避する方法としては、「連結納税制度」を利用する方法があります。
しかし、連結納税を一度選択すると、基本的には離脱できなくなります。
(このあたりはちょっと自信ありません。)
そのため、将来子会社が黒字化しても、連結納税し続けることになります。
また、連結納税は本支店会計よりもちょっと高度な知識を要求されます。
・・・私はやったことないので、あまり詳しくはありません。(^^ゞ
もしも連結せずに別々に計算して個別に納税すれば、利益のうち800万円までの部分に限りますが、「資本金1億円以下の中小法人の軽減税率」(法人税の基本税率は30%ですが、軽減税率ですと、22%になります。)が親子会社あわせて2回使えます。
これが連結納税ですと、1回しか使えませんから、その分不利になります。
2.本支店とも黒字の場合の比較
本店(親会社)の利益が2,000万円、支店(子会社)の利益が1,000万円であるとした場合の法人税を計算してみましょう。
(1)本支店経営の場合の法人税
本支店合算後の利益 2,000+1,000=3,000万円
利益のうち800万円までの部分・・・800×22%=176万円
利益のうち残りの部分・・・(3,000−800=2,200)×30%=660万円
法人税合計・・・176+660=836万円
(2)親子会社経営の場合の法人税
親会社の法人税
利益のうち800万円までの部分・・・800×22%=176万円
利益のうち残りの部分・・・(2,000−800=1,200)×30%=360万円
法人税合計・・・176+360=536万円
子会社の法人税
利益のうち800万円までの部分・・・800×22%=176万円
利益のうち残りの部分・・・(1,000−800=200)×30%=60万円
法人税合計・・・176+60=236万円
親会社の法人税+子会社の法人税=536+236=772万円
というわけで、本支店両方とも黒字の場合は、全部1社として計算すると836万円の法人税となりますが、支店を別会社にして親子別々に計算すれば772万円ですみますので、こちらのほうが納税者有利となります。
(連結納税を選択してしまうと、全部まとめて計算しますので、軽減税率は1回しか使えず、本支店経営と同じになります。)
支店をいつの時点で別会社にするかは、単純に税金面の有利・不利だけで決められるものではありませんが、一応参考にしてください。
それから、支店を「会社分割」という方法で別会社(子会社)にするとした場合、登記上も会社分割の登記になりますので、所定の手続き(株主総会やら従業員の同意やら)を経ておかないと登記ができません。
また、分割したその時点での法人税の課税関係については、その分割が「適格」か「非適格」かで取扱いが変わってきます。
できれば、「適格分割」となるようにすると、親会社の資産・負債を、親会社の「簿価」で子会社に引き継げるので、処理が楽です。
3.消費税の話
消費税の納税義務は、通常の場合ですと、基準期間(法人の前々事業年度)における課税売上げ高が1千万円を超えると、消費税の「課税事業者」(納税義務者)となります。
反対に1千万円以下であれば、消費税の「免税事業者」(納税義務なし)となります。
分割により親会社の事業を分割子会社に引き継がせた場合の特例
(1)子会社の課税事業者の判定は、
1・2年目・・・親会社の基準期間における課税売上げ高が1千万円を超えているかどうかで判定します。
3年目以降・・・親会社と子会社の基準期間における課税売上げ高を合算して1千万円を超えているかどうかで判定します。
(2)親会社の課税事業者の判定は、
1・2年目・・・子会社の基準期間はありませんので、親会社の基準期間における課税売上げ高が1千万円を超えているかどうかで判定します。
3年目以降・・・親会社と子会社の基準期間における課税売上げ高を合算して1千万円を超えているかどうかで判定します。
つまり、たとえば親会社の「課税売上げ高」が分割後も毎期1千万円を超えているときは、子会社の課税売上げがいくらであろうとも関係なく、子会社はずっと永久に「課税事業者」となります。
通常の会社の設立1期・2期は消費税の「免税事業者」となる規定は使えませんし、子会社の基準期間の「課税売上げ高」が1千万円以下になったとしても、親子合算で判定しますから、子会社はなかなか「免税事業者」にはなれませんので、注意が必要です。
ようは、会社分割することによって、それで「免税事業者」になって今までよりも消費税の負担を減らせる、ということはまずないということですね。
なお、課税事業者となった場合、消費税の申告計算じたいは、別会社にしたからといって特別なものはありません。
また、消費税には「連結納税」という考え方は一切ありません。
あくまでも会社単位で個別に申告納税します。
税金面でのメリット・デメリット
1.本店が黒字、支店が赤字の場合
本社の黒字が1,000、支店の赤字が500であると仮定しましょう。
法人税・住民税・事業税の税率は全部あわせてだいたい40%と仮定します。
<本支店経営の場合>
本店の利益 1,000
支店の利益 △500
合計:会社全体の利益 1,000−500=500
上記に対する税金 500×40%=200
<親子会社経営の場合>
親会社の利益 1,000
上記に対する税金 1,000×40%=400
子会社の利益 △500
上記に対する税金 なし
親会社の税金400+子会社の税金0=400
というわけで、支店を別会社にすると、子会社の赤字が親会社の税金の計算上、無視されますので、トータルの税金は本支店経営の場合よりもぐっと増えます。
これを回避する方法としては、「連結納税制度」を利用する方法があります。
しかし、連結納税を一度選択すると、基本的には離脱できなくなります。
(このあたりはちょっと自信ありません。)
そのため、将来子会社が黒字化しても、連結納税し続けることになります。
また、連結納税は本支店会計よりもちょっと高度な知識を要求されます。
・・・私はやったことないので、あまり詳しくはありません。(^^ゞ
もしも連結せずに別々に計算して個別に納税すれば、利益のうち800万円までの部分に限りますが、「資本金1億円以下の中小法人の軽減税率」(法人税の基本税率は30%ですが、軽減税率ですと、22%になります。)が親子会社あわせて2回使えます。
これが連結納税ですと、1回しか使えませんから、その分不利になります。
2.本支店とも黒字の場合の比較
本店(親会社)の利益が2,000万円、支店(子会社)の利益が1,000万円であるとした場合の法人税を計算してみましょう。
(1)本支店経営の場合の法人税
本支店合算後の利益 2,000+1,000=3,000万円
利益のうち800万円までの部分・・・800×22%=176万円
利益のうち残りの部分・・・(3,000−800=2,200)×30%=660万円
法人税合計・・・176+660=836万円
(2)親子会社経営の場合の法人税
親会社の法人税
利益のうち800万円までの部分・・・800×22%=176万円
利益のうち残りの部分・・・(2,000−800=1,200)×30%=360万円
法人税合計・・・176+360=536万円
子会社の法人税
利益のうち800万円までの部分・・・800×22%=176万円
利益のうち残りの部分・・・(1,000−800=200)×30%=60万円
法人税合計・・・176+60=236万円
親会社の法人税+子会社の法人税=536+236=772万円
というわけで、本支店両方とも黒字の場合は、全部1社として計算すると836万円の法人税となりますが、支店を別会社にして親子別々に計算すれば772万円ですみますので、こちらのほうが納税者有利となります。
(連結納税を選択してしまうと、全部まとめて計算しますので、軽減税率は1回しか使えず、本支店経営と同じになります。)
支店をいつの時点で別会社にするかは、単純に税金面の有利・不利だけで決められるものではありませんが、一応参考にしてください。
それから、支店を「会社分割」という方法で別会社(子会社)にするとした場合、登記上も会社分割の登記になりますので、所定の手続き(株主総会やら従業員の同意やら)を経ておかないと登記ができません。
また、分割したその時点での法人税の課税関係については、その分割が「適格」か「非適格」かで取扱いが変わってきます。
できれば、「適格分割」となるようにすると、親会社の資産・負債を、親会社の「簿価」で子会社に引き継げるので、処理が楽です。
3.消費税の話
消費税の納税義務は、通常の場合ですと、基準期間(法人の前々事業年度)における課税売上げ高が1千万円を超えると、消費税の「課税事業者」(納税義務者)となります。
反対に1千万円以下であれば、消費税の「免税事業者」(納税義務なし)となります。
分割により親会社の事業を分割子会社に引き継がせた場合の特例
(1)子会社の課税事業者の判定は、
1・2年目・・・親会社の基準期間における課税売上げ高が1千万円を超えているかどうかで判定します。
3年目以降・・・親会社と子会社の基準期間における課税売上げ高を合算して1千万円を超えているかどうかで判定します。
(2)親会社の課税事業者の判定は、
1・2年目・・・子会社の基準期間はありませんので、親会社の基準期間における課税売上げ高が1千万円を超えているかどうかで判定します。
3年目以降・・・親会社と子会社の基準期間における課税売上げ高を合算して1千万円を超えているかどうかで判定します。
つまり、たとえば親会社の「課税売上げ高」が分割後も毎期1千万円を超えているときは、子会社の課税売上げがいくらであろうとも関係なく、子会社はずっと永久に「課税事業者」となります。
通常の会社の設立1期・2期は消費税の「免税事業者」となる規定は使えませんし、子会社の基準期間の「課税売上げ高」が1千万円以下になったとしても、親子合算で判定しますから、子会社はなかなか「免税事業者」にはなれませんので、注意が必要です。
ようは、会社分割することによって、それで「免税事業者」になって今までよりも消費税の負担を減らせる、ということはまずないということですね。
なお、課税事業者となった場合、消費税の申告計算じたいは、別会社にしたからといって特別なものはありません。
また、消費税には「連結納税」という考え方は一切ありません。
あくまでも会社単位で個別に申告納税します。
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No. | タイトル | 投稿者 | 投稿日時 |
---|---|---|---|
0 | 2007/03/31 10:39 | ||
1 | kaibashira | 2007/03/31 12:16 | |
2 | 2007/03/31 13:21 | ||
3 | kaibashira | 2007/03/31 15:04 | |
4 | 2007/03/31 16:15 | ||
5 | kaibashira | 2007/03/31 17:51 | |
6 | しかしか | 2007/04/01 23:35 | |
7 | kaibashira | 2007/04/01 23:57 | |
8 | 2007/04/02 10:10 | ||
9 | しかしか | 2007/04/02 14:02 | |
10 | しかしか | 2007/04/02 14:03 | |
11 | 2007/04/02 19:22 | ||
12 | kaibashira | 2007/04/03 14:32 | |
13 | 2007/04/04 08:10 | ||
14 | しかしか | 2007/04/04 08:25 | |
15 | kaibashira | 2007/04/04 09:50 | |
16 | 2007/04/04 23:27 | ||
17 | しかしか | 2007/04/05 10:10 | |
18 | kaibashira | 2007/04/05 14:48 | |
19 | 2007/04/06 08:54 | ||
20 | 2007/04/09 01:08 | ||
21 | 2007/04/09 08:43 |
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